マクラーレンがジェイムス・キーを使うメリットは、ない!!
マクラーレンが、トロロッソからテクニカルディレクターのジェイムス・キーを引き抜いたニュースが話題になっている。
たしかに、トロロッソにとっては、ホンダとのジョイントが進行中なので、キーを失うことは痛手に違いない。しかし、一方で、マクラーレンがテクニカルディレクターとしてジェイムス・キーと契約したことに、どんなメリットがあるのだろうか。
マクラーレンの建て直しを画策しているザック・ブラウンは、これまでの流れを断ち切って、チームを建て直そうとしいてるが、どう見ても、それがF1のクォリティの中で行なわれているとは思えない。3年の経験で進化したはずのホンダを切ったところから首を傾げざるを得なかったが、今回のジェイムス・キーとの契約を見て、さらにその思いが強くなった。
これが、アドリアン・ニューウェイだったら話が違う。ちょっと前のロリー・バーンだったら、ブラウンの凄腕に感心したかもしれない。さらにもう少し前のゴードン・マーレイか、ジョン・ドーナードだったら、見直したかもしれない。しかし、ジェイムス・キーは、どこにでもいる普通のエンジニアだ。一時、フェラーリ入りの話があったが、本当に優秀なら、フェラーリが放っておかなかっただろう。
ブラウンは、マクラーレンを若いチームにしたがっているという声もある。しかし、AIを駆使してコンピュータでデザインすれば速いマシンができるなら、ジェイムス・キーでいいかもしれないが、事実はそうではない。結論として、キーをテクニカルディレクターに決めた時点で、マクラーレンのここから先数年は、終わった、という見方がレースの本質を知る見方だ。F1のクォリティの認識がまったく欠けているザック・ブラウンが、ここに気付くのはいつになるだろうか。
[STINGER]山口正己
photo by Honda