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モンツァを襲ったふたつのクラッシュ

レズモへのアプローチ。強烈なスピードで通過する。それも、限界ギリギリで。

イタリアGP初日の金曜日、フリー走行2でふたつのクラッシュが起きた。まず、開始から2分、画面に写された映像は、背筋が凍る状況に見えた。マーカス・エリクソンのザウバーが、1コーナーで突然左を向いてガードレールに激突、もんどり打って何度も回転しながら地面に叩きつけられた。最初に映った絵が、フロントタイヤがもぎとれてバラバラになった白いマシンだったので、エリクソンの状況が心配されたが、エリクソンに怪我はなかった。

もうひとつは、1時間半のセッションがちょうど1時間経過したところでのフェラーリのセバスチャン・フェッテルのスピン/クラッシュ。

フェラーリは初日から好調で、メルセデスを押し退けて1-2を記録していた。さらにタイムアップすべく、フェッテル+フェラーリがセクター2まで驚異的なタイムで通過。しかし、速すぎた。最終コーナーのパラボリカで、限界速度をオーバーしてスピン。まるで2005年のミハエル・シューマッハを再現するような形でコースを外れ、シューマッハと同じように後ろ向きに砂利の上を滑ってリヤウィングをガードレールに当ててしまった。

同じ“クラッシュ”とくくっているが、エリクソン+ザウバーとフェッテル+フェラーリのそれはまったく異なる状況だった。セバスチャン・フェッテルは、修理のために20分ほど走行時間を失ったが、スピンの原因がオーバースピードであることが明確に見えていた。限界を確認できた、という観方をすれば、そこさえ守れば二度目は起きない。

しかし、エリクソン+ザウバーの方は深刻だった。原因が、リヤウィングのフラップを作動させるDRSシステムのトラブルだったからだ。同じトラブルを防ぐために、同僚のシャルル・ルクレールは、その後、ピットで調整と確認の後に、DRSの作動を確認しながら走行したが、途中で「動かない」とピットに報告している。

その後、ルクレール+ザウバーは、アタックを行なって9番手のタイムを記録しており、問題は解決されたようだが、2台のクルマに同じトラブル、それもリスクの大きい問題を抱えていたことは、ザウバー陣営に少なからぬショックを与えた。

エリクソンがDRSの問題でクラッシュしたのは二度目。シルバーストンでもそれが原因でクラッシュを演じている。

いずれにしても、モンツァは高速だ。高速になれば当然リスクが増えるが、今回のモンツァは、そのギリギリのせめぎ合いが見え隠れしている。フェラーリにフリー走行2で1-2を許したハミルトン+メルセデスが、高速のレズモ・コーナーでコースをはみ出し、砂利を蹴散らす場面が何度か映し出された。同じく高速の最終パラボリカ・コーナーでも、左2輪をコーナーからはみ出させてギリギリのラインで通過するアタックを見せた。同じ場所で、フェッテル+フェラーリのようなスピンまでいかなくても、4輪がコースを外れるマシンが連発した。

初日でこうだった。予選でさらにアドレナリンが吹き出すと、どんなスペクタクルが待っているのか。モンツァはやはり、特別なレースであることを証明して、予選を迎えようとしている。

[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]

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