極端にライフが短いハイパーソフト?!–シンガポールGP決勝の見どころ
シンガポールGPは9月15日、長いストレートと直角コーナーが織りなすリスキーなコースで予選を闘い、劣勢を予測されていたメルセデスで、ルイス・ハミルトンが素晴しいコントロール能力と限界へのチャレンジをハイレベルでそろえ、久々に胸の透くアタックを見せた。
ルイス・ハミルトンが記録した1分36秒015は、去年のセバスチャン・フェッテル(フェラーリ)のポールタイムを1分39秒491を3秒以上上回るスーパーラップ。ハミルトン+メルセデスはフリー走行の段階で期待された1分37秒台突入をさらに1秒以上上回り、さらに予選14番手までがコースレコードを破る驚速予選になった。
◆雨の可能性は47%
問題はレースだ。去年はスタートで上位がクラッシュする波瀾の幕開けだった。しかし、それは雨絡みのコンディションも作用したが、今年は?
元々シンガポールは、夜間に雨が降ることはめったにないが、去年はそれが起きた。今年の週末の天気は下り坂。午後には降水確率47%という微妙な確率で雷雨が報じられ、夜間に雨の予報はないものの、雨が降れば、路面コンディションが変化するのはいうまでもない上に、路面が乾きにくいマリナベイ・サーキットの特徴も気になってくる。
◆ハイパーソフトが持たない
もうひとつの話題は、Q2のタイヤでスタートしなければならないトップ10が、ライフが極めて短いハイパーソフトを履いてスタートするが、間違いないのは、この10台は1ストップが不可能ということ。そうなると、自由にタイヤを選べる11番手以降の、11位アロンソ+マクラーレン、12番手サインツ+ルノー辺りにチャンスが訪れるかもしれない。同じく、タイヤマネージメントに自信を持っているトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンダン・ハートレーの起死回生のレースにも期待しておきたい。
スタートの注目は、ハミルトン+メルセデスの隣の2番手に、“失うものがなにもない”暴れん坊のマックス・フェルスタッペンがいることだ。レッドブルは、マリナベイ・サーキットで速さを見せており、まずはスタート直後のフェルスタッペン+レッドブルの動きに注目だ。
緊迫のレースは、夜の帳が降りた20時10分(日本時間21時10分)に火蓋が切って落とされる。
[STINGER]山口正己