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フェラーリF1最年少のリカルド・ロドリゲス

あどけない天才少年。

シャルル・ルクレールのフェラーリが話題を呼んでいる。21歳のルクレールが、脂が乗りきったキミ・ライコネンの後釜が勤まるのか、ということが、フェラーリ史上2番目の若さが話題の中心だ。

特に今年のモンツァの予選で、ライコネンが素晴しいパフォーマンスを見せたから、そのライコネンを捨てて21歳のルクレールに白羽の矢を立てたフェラーリに、大きな注目が集まっているのだが、ルクレールは、スクーデリア・フェラーリF1史上、2番目に若いドライバーとして迎えられる。その1番目の最年少ドライバーとは、リカルド・ロドリゲス。兄のペドロ・ロドリゲスと共に、メキシコを代表するレジェンドだ。メキシコGP会場のオートドロモ・エルマノス・ロドリゲスとは、ずばり、ロドリゲス兄弟の名を冠したもので、ロドリゲス兄弟は、メキシコを代表するレーサーだ。

リカルド・ロドリゲスは、1959年に17歳で兄ペドロと組んでルマン24時間に参戦、翌1960年には2位に食い込んで注目を集め、1961年のF1イタリアGPでフェラーリからスポット参戦、大人に混じっていきなり予選2位を得てイタリア熱狂させた。

大人とは、1961年ワールドチャンピオンのフィル・ヒルであり、1965年と1966年にホンダF1チームのエースだったリッチー・ギンサー、そしてリカルドがデビューしたレースでポールポジションを奪ってこの年の勝目を狙っていたウォルフガング・フォントリップスという錚々たるメンバー。リカルドは、フォントリップスに0.100秒差の2番手、他のトップドライバー全員に後塵を浴びせた。レースは13周でエンジントラブルに見舞われてリタイアしたが、19歳と208日の決勝出走は、当時最年少だった。

その翌年、初めて開催されたノンタイトル戦のメキシコGPで、フェラーリではなくロブウォーカー・チームからロータスで参戦したが、フリー走行中に高速の最終コーナーでクラッシュ、当時、シートベルトがなかったマシンから投げ出されて20歳の障害を閉じた。兄のペドロも、ポルシェ・ワークスだった1970年に事故死している。

ちなみに、現在の最年少記録は、17歳166日のマックス・フェルスタッペンで、リカルド・ロドリゲスは、ランス・ストロール、ハイメ・アルグェルスウォリ、マイク・サックウェルに次いで5番手。6番手はフェルナンド・アロンソで、シャルル・ルクレールは17番手。F1全体として見れば特別若くはないが、フェラーリであることを考えると、注目が高まるのは当然といえそうだ。

[STINGER]山口正己
photo by WEC

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