全部勝てば逆転できると強気のフェッテル
2018F1GP第15戦シンガポールGPは、ルイス・ハミルトンのものだった。勝てるはずのレースを失ったセバスチャン・フェッテルは3位に甘んじ、ハミルトンに40点の大量リードをつけられた。残りは6戦。ハミルトンの王座はかなりの確度で決まって見える。
しかし、フェッテルは、「残り5戦を全勝すれば、逆転できる。4度ワールドチャンピオンを取っているし、優勝も52回しているから、やれるよ」と、まったく諦めていない。
確かに、計算上の40点差は、6連勝すれば、25点×6=150点。ハミルトンが全部2位だったとして、18×6=108点。ハミルトンの389点に対して、フェッテルは391点で逆転可能だ。
しかし、ハミルトンは直近の5戦で4勝しているという事実も忘れてはならない。さらに、シンガポールはフェラーリが有利なはずだったが、勝ったのはハミルトン+メルセデスだった。フェラーリのドタバタを加味すると、ここからの6連勝は至難の業だ。
だが、そのかすかな可能性をあきらめないことこそ、レーシングドライバーの証。ハミルトン+メルセデスも、40点差を楽観視しているわけもなく、「40点はゼロと一緒」と発言している。
ここはひとつ、セバスチャン・フェッテルの言葉にかけて、残り6戦をドキドキしながら見守るのも一興。
[STINGER]大和 空/Sora Yamato
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