トロロッソ・ホンダ、スペック3エンジンでロシアGPへ
ホンダは、明日から始まるロシアGPに、カナダGPから使っているスペック2に続いてさらに新しいスペック3のパワーユニットを供給するという。このパワーユニットは、来期用の技術を投入したものと思われ、さらには、翌週に鈴鹿サーキットで行なわれ日本GPに備え、そこで投入によるペナルティを事前に消化しておく考えだ。
カナダで投入したスペック2は、パワーと信頼性が向上していたことを数戦かけて最終調整をしつつ熟成と使い勝手の確認を進め、ベルギーとイタリアの高速連戦で特にピエール・ガスリーが悪くないスピードを見せた。
カナダでは、制限を設けずに走らせ、そのデータを解析して不具合を確認しつつ限界点の見極めを慎重に行ない、フランスからの3連戦を闘ぽた。ドイツを挟んでハンガリーまでの夏休み前までに限界点を確認し、夏休み明けのベルギーGPで思い切って回せるようになった、ということだ。
そのスペック2を、スペック3はさらに数十馬力上回っていると言われ、期待が高まるところだが、スペック2がそうだったように、熟成には若干の時間が必要だ。しかし、スペック2で収拾したデータが投影されているはずで、その意味では、スペック2よりも短時間で初期の性能を期待していいかもしれない。ともあれ、パワー依存度の高い鈴鹿に向けてのポテンシャルがロシアで確認できるはずだ。
一方で、シンガポールGPで期待にそぐわない結果となったトロロッソ・ホンダは、車体の開発スピードが他に追いついていないのではないか、という観方も出、パワー依存度が高いとはいえ、車体の性能も問われる鈴鹿に疑問の声も上がっているが、同じように車体も重要なスパ-フランコルシャンでピエール・ガスリーがQ3進出していることもある。どちらになるか、まずはスペック3の仕上がりを確認したい。
[STINGER]山口正己
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