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ヴァンドーンの2019年はインディカーか、それとも?!

フォーミュラE?

2019年のF1のシートがほぼ埋まり、運命を決められてしまったドライバーが見え始めた。ストフェル・ヴァンドーンもその一人。2015年のGP2、現在のFIA-F2で別格の強さを示し、ラウダやプロストの再来を思わせた沈着冷静なマインドに大きな期待がかかっていた26歳のベルギー人だ。

2016年には、来日してスーパーフォーミュラに参戦、そこでもポテンシャルの高さを遺憾なく発揮して、ただ者ではないことを示していた。2016F1GP第2戦のバーレーンGPでは、オーストラリアで大クラッシュを演じたフェルナンド・アロンソの代役としてマクラーレンのステアリングを握り、ドタバタ参戦を乗り越えていきなり10位に入賞、翌2017年からマクラーレン・ホンダでフルタイムのF1GPドライバーとしてデビューした。

しかし、そこからのストフェル・ヴァンドーンは、まったく別人のような成績しか残せていない。チームメイトのフェルナンド・アロンソに対して、20戦中予選が前だったのは僅か5回、2018年になるとさらに厳しくなり、16戦が終了したところで、アロンソの前のグリッドからスタートしたのはたったの2回という低迷ぶり。2018年限りでマクラーレンを離れることになった。

2019年に向けて、一時はトロロッソのシートの候補に上がっていたが、レッドブルのヘルムート・マルコ博士に、“F1ドライバーとしては失格”の烙印が押され、残るザウバーもライコネンとジョビナッツィという磐石のラインナップで可能性を絶たれてしまった。

実は不成績はマクラーレンの力不足からアロンソで手一杯、バンドーンまで手が回らないという実情だが、そこは無視され、総ての責任をかぶったかっこうだ。

その後、そっぽを向かれたはずのマクラーレンのザック・ブラウンが、インディカー進出を計画していることから、インディカー転身が噂に挙がっていたが、ここにきて、フォーミュラEの可能性が浮上した。レッドブルのマルコ博士と違う意見がメルセデスのトト・ウルフから出たからだ。

ウルフが、ストフェル・ヴァンドーンの才能を評価したことで、パワーユニットを供給するフォースインディアとウィリアムズの空席に、ストフェル・ヴァンドーンが納まるのではないか、という噂が上がったのだが、実は、ウルフの脳裏にあるのは、F1ではなく、フォーミュラEではないか、ということになった。

フォーミュラEは、自動車メーカーの注目度を高めており、メルセデスもドイツのHWAと技術協力して関係を持つといわれている。一端、下降した逸材ストフェル・ヴァンドーンの才能が、フォーミュラEの“躍進”で、脚光を浴びる日が来るかもしれない。

 

[STINGER]大和 空/Sora Yamato
photo by [STINGER]

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