「チャレンジしないなら、家で寝てた方がいい」–セバスチャン・フェッテルの30回目の鈴鹿
30回目の記念すべき日本GPで、セバスチャン・フェッテルはハミルトン+メルセデスに完膚無きまでにたたきつぶされた。しかし、セブはへこたれていなかった。
スタートでダッシュを決め、ライコネンとフェルスタッペンがシケインで絡んだ隙に4位に上がって1周目を終えたセバスチャン・フェッテル。さらにフェルスタッペン+レッドブルを追い詰めてスプーンのインからアタック。結果から見れば、リスキーが表面化して接触、スピンして最後尾に落ちたミス。そこから追い上げて6位になっているから、無理せずまともに走っていれば表彰台も見えたレース展開だった。
しかし、その内容について、セバスチャン・フェッテルはまったく後悔していなかった。
「やらないなら、家で寝てた方がいい」、なんと清々しくて、潔くて、レーシングな言葉だろう。最終ラップのファステストラップといい、今回のセバスチャン・フェッテルは、結果は大切だしチームにとってはかけがえのないものだけれど、レースと成績だけではないことを思い出させてくれた。
「でも、結果はゴメンなさい」。闘った直後にも関わらず、チームを思う気持ちが現れていた。謝られたメカニックやチームの関係者にその気持ちが伝わり、今後の闘いに気合が入ったに違いない。こんなこと、言われてみたい。
[STINGER]山口正己
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