F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

2300mの高地のサーキット、メキシコ･シティのエルマノス･ロドリゲスで行なわれたメキシコGPは、レースそのものと、シリーズチャンピオン争いの二つの闘いが微妙に入り交じる興味深いレースだった。

スタートで、ポールポジションのダニエル･リカルド（レッドブル）がかすかに出遅れ、マックス･フェルスタッペン（レッドブル）にルイス･ハミルトン（メルセデス）が続いた。ハミルトンとタイトルを争うセバスチャン･フェッテル（フェラーリ）は4位でレースを始めた。

終盤、フェッテル＋フェラーリがハミルトン＋メルセデスをパスして場内から大きな拍手が沸き起こったが、フェッテルが逆転チャンピオンになるためには、自信の優勝が必須条件、フェッテル＋フェラーリのペースは遅くなかったが、レッドブルの2台が速すぎた。

終盤、レッドブルの片割れのダニエル･リカルドのエンジンから白煙が立ち上ってリタイア。同じトラブルがフェルスタッペンにも起きることが心配されたが、問題は起きなかった。

終盤のハイライトは、タイヤだった。特にハミルトン＋メルセデスのタイヤに黒い帯が目立ち、グレイニングの兆候をあらわにしていた。スタートのタイヤを71周レースの10周目に交換、タイヤ交換のタイミングが微妙に終盤に響いて、2回のピットインを行なった終盤、それでもグレイニングが出たタイヤで、ハミルトンは苦しい走行を強いられたが、7位になればタイトルを決められるハミルトン＋メルセデスには結果として余裕があった。

ルイス･ハミルトンは4位でゴール。フェッテル＋フェラーリが2位に甘んじたことで、ファン･マニュエル･ファンジオと並ぶ5回目のチャンピオンを決定。ゴール後にフェッテルはハミルトンに駆け寄ってライバルのタイトルを祝福した。

5位が周回遅れ、6位以下は2周遅れという激しいレースで、ピエール･ガスリーのトロロッソ･ホンダが2周遅れながら10位に入賞。ハートレー＋トロロッソは、終盤12番手につけいてたが、14番手でゴールした。

次の第20戦はブラジルGP。サンパウロで、2週間後にレースを行なう。

◆2018F1GP第19戦メキシコGP結果
1. フェルスタッペン＋レッドブル
2. フェッテル＋フェラーリ
3. ライコネン＋フェラーリ
4. ハミルトン＋メルセデス
5. ボッタス＋メルセデス
6. フルケンベルグ＋ルノー
7. ルクレール＋ザウバー
8. ヴァンドーン＋マクラーレン
9. エリクソン＋ザウバー
10. ガスリー＋トロロッソ
11. オコン＋フォースインディア
12. ストロール＋ウィリアムズ
13. シロトキン＋ウィリアムズ
14. ハートレー＋トロロッソ
15. マグヌッセン＋ハース
16. グロジャン＋ハース
—-以下、リタイア
リカルド＋レッドブル
ペレス＋フォースインディア
サインツ＋ルノー
アロンソ＋マクラーレン

※決勝結果詳細

［STINGER］山口正己
photo by REDBULL