ハミルトン、雨の混乱を乗り越えるポールポジション!!–トロロッソ・ホンダ、空回りながらQ3進出
ルイス・ハミルトン(メルセデス)が今期10回目、F1の通算81回目のポールポジションを決めた。
2018F1GP第20戦ブラジルGPの予選は、雨絡みで目まぐるしい展開となった。日本との時差12時間。地球の裏側ブラジルのサンパウロから、熱さが地球を突き抜けて伝わってきそうな予選だった。
Q1はドライコンディションで始まったが、直ぐに雨が降り出す予報に備え、全車が早々にコースインする中で、今回最新仕様のスペック3パワーユニットを搭載したトロロッソ・ホンダだけがピットアウトを遅らせ、タイミングをずらす作戦を採った。しかし、これが外れてブレンダン・ハートレーは誕生日にQ1ノックアウト。一方のピエール・ガスリーは、際どいところでQ2に進出、Q3まで駒を進めた。
日差しが戻ってきた状況の中でQ3が始まったが、ピット入り口で抜き打ち車検を受けたフェッテル+フェラーリが、車検エリアのパイロンを蹴飛ばし、本来押されて載せられる重量計の上に自力で上がってしまう規則違反。フェッテルは逼迫した状況の中で、平常心を失ってオフィシャルにドケドケ、と左手で指示を出す場面もあったが、それだけ緊迫した状況の予選だった。
ルイス・ハミルトンは危うい場面に遭遇した。1回目のアタックを終えてスロー走行中のハミルトンに、シロトキン+ウィリアムズが高速の最終コーナーで追いついた。シロトキンはハミルトンのメルセデスを発見して左からパスしようとしたが、ハミルトンはレコードラインを譲ろうと左に転舵。ラインが交錯して際どくニアミス。接触は避けられたが危うい場面だった。
テンションが上がって進んだQ3の二度目のアタックで、唯一タイムを伸ばしたハミルトン+メルセデスが、フェッテル+フェラーリを退ける結果となった。
「厳しい予選だった。天気もわからないし、今週はフェラーリが速かったし。ヘルメットのデザインを参考にしたセナのブラジルでポールポジションを取れて嬉しいね」
「明日は、タイヤストラテジーもあるし、雨かもしれないし。スーパーソフトでブリスターが出ていたし。明日はタイヤチョイスがうまく行くといいんだけどね」
セカンドグループの闘いの中で、ザウバー2台がQ3に進み、マーカス・エリクソンが、チームメイトのシャルル・ルクレールを下す快心の走りで三強トップ6に続く7番手の殊勲を射止めた。
ブラジルGP決勝レースは、11日日曜日14時10分(日本時間翌12日月曜日午前2時10分)にスタートする。
◆ブラジルGP予選
1. ハミルトン+メルセデス
2. フェッテル+フェラーリ
3. ボッタス+メルセデス
4. ライコネン+フェラーリ
5. フェルスタッペン+レッドブル
6. リカルド+レッドブル
7. エリクソン+ザウバー
8. ルクレール+ザウバー
9. グロジャン+ハース
10. ガスリー+トロロッソ
—-以下、ノックアウト
11. マグヌッセン+ハース
12. ペレス+フォースインディア
13. オコン+フォースインディア
14. フルケンベルグ+ルノー
15. シロトキン+ウィリアムズ
—-以下、ノックアウト
16. サインツ+ルノー
17. ハートレー+トロロッソ
18. アロンソ+マクラーレン
19. ストロール+ウィリアムズ
20. ヴァンドーン+マクラーレン
[STINGER]山口正己
photo by MERCEDES