2019F1ドライバー陣容
アレキサンダー・アルボンとの契約をトロロッソが発表したことで、2019年の前チームのドライバー陣容が決まった。フォースインディアは、セルジオ・ペレスだけが正式発表をしている状況だが、もう一人はランス・ストロールになると思ってまず間違いないところだ。もしかすると、帝王学の一環としてF1を経験したランス・ストロールは、F1を卒業して、他の誰か、例えばエスティバン・オコンが乗るという可能性はゼロではないが、限りなくゼロに等しいだろう。
改めて2019年のリストを眺めると、勢力図の変化が期待できて楽しい。
◆不動組:メルセデス/ハース
メルセデスはここで取り上げるまでもなく完璧に安定したチームとして来年もポテンシャルを発揮するはずだ。しかし、フェラーリとレッドブルが陣容を換えたことと、特にフェラーリがそろそろ安定したポテンシャルを出してもいい頃であり、かつ、ベテランのセバスチャン・フェッテルと、初々しさが残るシャルル・ルクレールの組み合わせは、これまでと違う流れを見せそうで楽しみ。
そしてハースは、こちらも安定したエンジニアリングが行き届いていることで知られ、その采配を小松礼雄エンジニアが烏滸なわていることからも期待が膨らむ。自らの力量を認識した上で、持てる力を存分に発揮する、という意味で、メルセデスとは一味違うレースを見せてくれそうだ。
◆総入れ換え組:マクラーレン/トロロッソ/ザウバー/ウィリアムズ
二人とも入れ代わるのが4チームというのも、異例のことだ。エンジンサプライヤーの思惑や、スポンサーの意向、そしてチームじたいの考え方もあるだろう。際立っているのはマクラーレンだ。闘うチームという前に、コマーシャル分野出身のザック・ブラウン主導の元、プロモーションに走りすぎるきらいが見え隠れする。目立つが闘うチームとしてはどうなの?という疑問の中で、カルロス・サインツとランド・ノリスの組み合わせは、新鮮。サインツは、もともと憧れのヒーローだったフェルナンド・アロンソの後任となることに喜びを感じているが、問題は、マクラーレンのチーム力がどこまで回復するのかに興味が集まっている。
◆中庸組:フェラーリ/レッドブル/ルノー/フォースインディア
面白いのは、変化なし/中庸/総入れ換えが、それぞれコンストラクターズポイントと同じような並びになっていることだ。力があれば換える必要ななく、ドライバーも継続を希望する、ということにも解釈できる。
果たしてこれらの変化が勢力図に同影響するのか。勝手な憶測が楽しめるシーズンオフは、始まったばかりだ。
[STINGER]山口正己