F1アブダビ・テストで一番喜んだのは、誰?
F1アブダビ・テストが終了し、F1ドライバーはクリスマスを待っている。さて、多くの新たな組み合わせがお目見えし、新鮮なシーンが見られたテストでは、喜びの場面もたくさん展開したが、さて、誰が一番嬉しかったのか。そして、そのムードを2019戦まで持続できるのはだれか。
◆シャルル・ルクレール:ザウバーからフェラーリへ
子供の頃から夢だったフェラーリのドライバーとなり、表情がほころびっぱなしだったのがモナコ出身のシャルル・ルクレール。さらに、初走行で最速タイムを記録したから喜びも一入。フェラーリのマシンは2018年最高傑作と言われているが、その力を2019年も持続できるのか。それはルクレールの貢献度にもかかっている?!
◆カルロス・サインツJr.:憧れの名門マクラーレンへ
父はラリーの世界チャンピオンとして名高いカルロス・サインツだが、カート時代から憧れはフェルナンド・アロンソ。母国スペインにF1人気を呼び込んだ英雄からシートを引き継いだ喜びは、何物にも換えがたい。問題は、マクラーレンがどこまで復活するか。そのアロンソは、「2019年のマクラーレンは実力急上昇」と太鼓判を押してインディカーに旅立った。
◆ピエール・ガスリー:超高速ステップアップでレッドブルへ
トロロッソからレッドブルへ。“昇進”というフレーズがぴったりハマる。F1デビューから事実上2年でトップチームと契約して意気揚々。ホンダのパワーユニットの出来がピエールの将来にかかっている?! 暴れん坊のマックス・フェルスタッペンとのコンビネーションも気になるところ。
◆キミ・ライコネン:リラックスのF1最終章
フェラーリからザウバーへの移籍は、降格にも見える。しかし、テスト会場での表情は、フェラーリ時代よりはるかに笑顔が多いように見える。これまでの“仕事”から、2019年は、“楽しみ”になる?! ザウバーの伸びシロは、ライコネン加入で、グンと深く大きくなったことも間違いないところだ。
◆ロベルト・クビサ:ウィリアムズで9年ぶりの復活
ラリーのアクシデントで、ガードレールが車内に突き刺さって右腕を大きく負傷した。厳しいリハビリの難関を乗り越えて、9年ぶりの復活。天才の切れ味に期待がかかるが、本人はもう少し覚めたクールな感覚で再出発を待っているかも。役目はウィリアムズの建て直しと、若いラッセルの道先案内人?
◆ダニール・クビアト:トロロッソでレッドブル・ファミリー復帰
トロロッソの2019年ドライバーは、ダニール・クビアトもアレキサンダー・アルボンも、“レッドブル出戻り組”。二人とも、一端はレッドブル・ファミリーから除外され、そして復活した経歴を持つ。これはある意味で“力の証明”でもあるわけで、2019年の活躍に注目が集まっている。
[STINGER]山口正己
photo by SAUBER/McLaren/Formulaone.com/WILLIAMS/REDBULL/TOROROSSO