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マクラーレンがロン・デニス時代と完璧に違うところ

マクラーレンは、1981年に、創始者であるニュージーランド出身のブルース・マクラーレンから権利を引き継いでいたテディ・メイヤーから、ロン・デニスが、マールボロスポンサーを後ろ楯に、代表を務めてF2を闘っていた『プロジェクト4』が買い取った。以後、マクラーレンのシャシーナンバーにはそれまでの『M』に代わって、マクラーレン・プロジェクト4を意味する(マールボロ×プロジェクト4という説もある)『MP4』が冠されて今日に至っている。

ただし、現在までの一連の流れの中で、確実に時代が変わった瞬間があった。それは、2016年にロン・デニスが解任され、チーム代表がマーチン・ウィットマーシュからザック・ブロウンに移った時だ。マクラーレンは、それまでのイメージとは別の、“普通のチーム”としての道を歩み始めた。

普通のチームとはなにか。F1チームと一口に言っても、実は以下のように分類できる。

1) 純粋にレースを闘うレーシングチームとしてのF1チーム
ウィリアムズがその最たる例。トロロッソもこれに近い。ザウバーもここに入るが、若干違っているのは、メルセデスやBMW、現在はアルファロメオとジョインとして、それら自動車メーカーのイメージアップを担当しているところだ。

2) ブランドの告知活動を主たる目的とするチーム
古くは、ベネトン、最近では、アルファロメをチーム名に入れたザウバー。チーム名になっているブランドを売るためのチーム。広義には、トヨタもここに入った。ベネトンはファッション、アルファロメオやトヨタは自動車と、それぞれの自社製品の告知活動の一環としてF1を行なっている。

3)フェラーリ
ここは独特。自動車メーカーに違いないが、F1を告知に使うのではなく、F1を闘う資金を集めるために市販車を売っていると言えるからだ。

4) F1活動を、自社ブランド構築のために使うチーム
これがロン・デニスのマクラーレンだった。イメージが定着したところで、マクラーレンF1というロードカーを発売した。まさしくF1のイメージをそのまま投入された1億円のハイパーカーは、価値を上げ続け、今では数億円の価値を生み出しているが、ザック・ブロウンになってからは、1)なのか2)なのか分からなくなった。

デニスは、高度なテクノロジーの研鑽の場であるF1GPを闘うことで、マクラーレンのブランドイメージを構築しようとし、それを成功させた。だからこそ特別なチームとして君臨していたのだが、ザック・ブロウンの経営戦略にそれが見えないのは、マクラーレンが単なるレーシングチームになってしまったからだ。

ちなみに、ロン・デニスはマンスール・オジェに追い出された形に見えながら、実は“退職金”として400億円ほどを受け取っていることは余り知られていない。

ウィリアムズやトロロッソは、そもそもがレーシングチームとしての活動を理念としているので問題はないが、マクラーレンは違う。香港空港のデザイナーとして世界的に名高いノーマン・フォスターの手でデザインされたテクノロジー・センターをなぜ作ったかといえば、それは、ブランドイメージを高めるための投資だったのだ。女王陛下が落成式に参列するなと、デニスの戦略は完璧に進んでいたがその流れを知ってか知らずか、ブラウンは、断ち切ってしまった。

もはやマクラーレンが元に戻ることはないだろう。いや、創始者のブルース・マクラーレンの時代は、純然たるレーシングチームだったので、そこに戻ったと言えなくもないか。その証拠に、ヤードレーのスポンサーを得るまでのチームカラーのパパイヤオレンジに戻っているじゃないか。

[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]

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