安定がレッドブル・ホンダ好成績の要–その1
2019シーズンに躍進を期しているF1チームはいくつもかあるが、中でも、ホンダのパワーユニットを搭載するレッドブルは、2019年の進化の期待が最も大きい。
レッドブルのアドリアン・ニューウェイは、空力の魔術師と呼ばれるデザイナーであり、特に2019年は、フロントウィングを中心に空力規則が大きく変化することで、メルセデスやフェラーリを越える可能性が大いにあるという見方がある。
そういえば、鬼才デザイナーとホンダの組み合わせは、1988年のマクラーレン・ホンダを思い出す。アラン・プロストとアイルトン・セナの組み合わせで16戦15勝という圧倒的な強さを見せたマクラーレンMP4/4は、こちらも鬼才と呼ばれたゴードン・マーレイの作品。F1史上最も重心の低いブラバムBT55で集積したノウハウをたっぷり詰め込んだマシンは、絶頂期のホンダ・ターボとのセットでフェラーリを寄せつけずにシーズンを席巻した。
とはいえ、2018年の流れから、メルセデスとフェラーリがさらに安定した力を見せるはずで、1988年の再現はそう簡単ではない。レッドブル・ホンダがメルセデスとフェラーリに闘いを挑むためには、ホンダの進化はもちろんだが、レッドブルの安定性が求められるところだ。
(その2につづく)
[STINGER]山口正己