安定がレッドブル・ホンダ好成績の要–その3
(その2からつづく)
ホンダ・モータースポーツ分の山本雅史部長は、2015年に着任してから、ホンダのモータースポーツ活動をひとつひとつ実のあるものにしてきた。モータースポーツ部は当然ながら4輪と2輪を包括しているが、2輪は有能な部下に任せ、4輪中心に改革を進めてきた。
その成果として、去年は、国内のスーパーGTとスーパーフォーミュラのダブルチャンピオンを獲得した。スーパーGTでは、レギュレーションの中で車体の安定と扱いやすさ、エンジンのパワーアップを進め、スーパーフォーミュラでは、トヨタに負けていたエンジンに鞭を入れ、研究所の“サクラ”に鞭を入れ、チーム国光と山本尚貴でタイトルを手中に納めた。
次はF1の番だ。去年、マクラーレンから供給先をトロロッソに変更し、チーム感のぎくしゃくしたムードを整理し、2019年に備えた。2019年は、いよいよ三強の一角のレッドブルとのジョイントで、復帰5年目にして、ホンダらしい勝つための体制に到達した。
山本部長は、昨年暮れの宴席の挨拶で、「モナコまでには勝つ」とコメントしていたが、新年早々の『トーチュー』紙では、「平成のうちの勝利」と、さらに過激な目標設定を掲げた。平成は4月一杯で終わる。となると、期限ないのグランプリは、開幕戦のオーストラリア、バーレーン、中国、アゼルバイジャンの第4戦までになる。
トロロッソも、レッドブルの2018モデルを流用したマシンでセカンドグループとしては安定の体制となることから、ホンダの新時代が間違いなく始まる。
アドリアン・ニューウェイが送り出すレッドブルRB15ホンダが、どんなポテンシャルを持つマシンになるのか、まずは2月18日から始まるテストが待ち遠しい。
[STINGER]山口正己