レッドブル・ホンダのガスリーに期待したい理由
トロロッソ・ホンダでF1を経験したピエール・ガスリーは、今年、レッドブルに移籍する。このアップグレイドは、単なるエリートコースではなく、着実なステップと言っていい。ガスリーは、非常に頭がよく、物事を整理して進めるからだ。
スーパーフォーミュラに参戦した2017年のピエール・ガスリーを近くで見ていたチーム無限の関係者は、彼のやり方に感心することが多かった。一つ一つ、必要事項をこなして積み上げ、今何が必要かを熟考して行動の指針を決め、確実に自分のものにしていくやり方を見せられたからだ。これは、フランス人で唯一ワールドチャンピオンを奪っているアラン・プロストに通じるものがある。
Formulaone.comが、ガスリーのスーパーフォーミュラ時代を回想し、面白い、そして見事な表現をしている。
“ガスリーはフェルナンド・アロンソがマクラーレンの3年間で失敗した理由を見つけた。日本で成功したければ、相手を尊重し、静観して、自分の意見を聞かせるために誰に伝えなければならないかを知る必要がある”。日本人を的確に捉えた洞察に思わず期待が膨らむ。
コンビを組むマックス・フェルスタッペンは、速さや果敢さなど、F1ドライバーとしての素養はピカイチだが、日本人との接点がないことが唯一の弱点になるかもしれない。
ただし、父親のヨス・フェルスタッペンは、1999年に、ホンダが極秘で開発を進めていたホンダF1のテストを担当したことがあり、日本人との付き合い方のコツを知っている? 息子にそのコツが巧く伝えられれば、話は違うかもしれない。
もちろん、レッドブルのチームとの連帯でいけばフェルスタッペンが先輩。チームの中で、二人の関係がどう展開していくのか、これも2019の見どころのひとつになりそうだ。
[STINGER]山口正己
photo by REDBULL