苦しかった復帰戦–それでも笑顔のロベルト・クビツァ
2010年にラリーのアクシデントで右腕を痛め、一時は諦めたF1ドライバーの道を取り戻したロベルト・クビツァ。9年ぶりの復帰は、スタート直後の1コーナーで、ガスリー+レッドブル・ホンダにフロントウィングを踏まれて破損し、早々のピットインを余儀なくされた。
もともとマシンポテンシャルで劣るウィリアムズであり、レースに戻った後も、最後尾に甘んじて、チームメイトの新人ジョージ・ラッセルの後塵を配する形てがら完走し、17位の結果を残した。
予選セッションで、ピットロード入り口の壁にフロントウィングをぶつけるミスもあったが、9年ぶりのレースを心から楽しんで復活を遂げたロベルト・クビツァは、レース後、ウィングを踏んづけたガスリーの悪口を言うでもなく、明るくインタビューに答えた。
「2010年のアブダビGP以来のスタンディングスタートは、マクラーレンのリヤウィングでシグナルが見えなくてちょっと焦ってホイールスピンが多くなってしまったね。1コーナーはうまくクリアーしたと思ったけれど、ガスリー+レッドブル・ホンダが寄ってきて接触してしまって、ピットインしなければならなくなったんだ」
「チームからは、クルマは問題ない、といわれたんだけど、ステアリングを握っていると全然そうじゃなかったので、思わず笑っちゃったけれどね」
「壊れたクルマで走るのは大変だったけれど、たくさんの経験ができて、レースもコントロールできて、まぁまぁ、満足してるよ。チームはいろいろ大変だけれど、基本からだね、と話をしているんだ」
34歳のポーランド人の新たな門出を祝わずにはいられない。
[STINGER]山口正己
photo by WILLIAMS