容赦ないイタリアのメディアの“愛の裏返し”
イタリアを代表する“Gazzeta De la Sport”(ガゼッタ・デ・ラ・スポルト)、ピンクのスポーツ新聞としてヨーロッパでは名高く、フランスの“L’ÉQUIPE”紙と並ぶ『うるさ型』でもある。“Gazzeta De la Sport”は、特に、フェラーリの成績に敏感に反応する。
ガゼッタのメニューの『Automobilismo』というクルマを扱うページを見ると、モーターレーシングの話題が並んでいるが、イタリアに限らず、ヨーロンパの狩猟民族は、甘くない。いいときは大喜びし、悪いときは徹底的にこき下ろす。
例えば、F1の会場で木曜日に5人のドライバーが呼ばれる恒例の会見があるが、代表質問の後に参加メディアから質問を受ける“question from the floor”というコーナーでは、聞きにくいことがズケズケと質問するのが普通。つまり、テストでの好調を維持できなかったいまのフェラーリは、格好のネタにされる。
もちろん、これは愛の鞭でありフェラーリ好きの裏返し。しかし、当のフェラーリ当事者にとっては、たまったものではない。
今年は、ビノット代表が新任、シャルル・ルクレールとセバスチャン・フェッテルの先陣争いと、話題が多いフェラーリなので、関係者は戦々恐々の日々を過ごしているが、フェラーリの浮沈を折るときに、ピンクの“Gazzeta De la Sport”を脳裏に思い浮かべると、フェラーリの気分になれて、臨場感が湧くかもしれない?!
[STINGER]山口正己
photo by FERRARI