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レッドブル・ホンダの本当のポジション

開幕戦の結果から、メルセデス-レッドブル・ホンダ-フェラーリという勢力図が見えたといわれる。しかし、少し冷静になった方がいいかもしれない。

ホンダ・パワーについて、レッドブル・ホンダを中心に以下のような論説がまことしやかに語られている。

「ホンダ・エンジンはパワフル」

まず、最高速のデータを見ると、ホンダ・パワー搭載車が上位を独占している。確かに、パワーがなければこうはいかない。しかし、最高速は、ダウンフォースとの関係が微妙で、単に速ければいいというわけでもない。

例えば、セクター3の3番手はラッセル+ウィリアムズだが、トータルのタイムは決して速くない。最高速とラップタイムの関係は、必ずしもイコールではない、ということだ。大切なのは、トータルとしてはじき出されるラップタイムであって、最高速は、ポテンシャルの高さの決め手としては、実はさほど意味はない、ということだ。むしろ、鬼才デザイナーのアドリアン・ニューウェイの空力が、優れていると見るべきかもしれない。

「フェルスタッペンのレッドブル・ホンダがフェラーリを抜いた」

オーストラリアGPのアルバートパークは、追い越しが難しいコースとされている。そこでレース中にフェルスタッペン+レッドブル・ホンダがフェッテル+フェラーリをオーバーテイクした。パワーがなければ成せる業ではないが、実はこの時点での両者のタイヤの違いを考慮しなければならない。フェッテルは、フェルスタッペンより10周前にタイヤを交換していて、くたびれたタイヤだった。

また、ガスリー+レッドブル・ホンダがクビツァ+ウィリアムズを抜きあぐねたことをこのレッドブル・ホンダとフェラーリと比較して、あたかもフェルスタッペンとガスリーの差のように書かれた記事も見かけるが、ガスリーとクビアトは同じホンダ・パワーであり、差がなければ追い越しはできない。

「フェルスタッペンがハミルトンを追い詰めた」

終盤、フェッテル+フェラーリをパスしたフェルスタッペン+レッドブル・ホンダは、2位のハミルトン+メルセデスに追いつき、背後からプレッシャーをかけ続けた。しかし、このときのハミルトンは、左フロントウィングの翌端板を傷めていた。チームによると「目立たないが、空気の流れで極めて重要な部分」だという。つまり、ハミルトン+メルセデスが手負いでなければ、簡単には追いつけなかった。もしれない。

表彰台でハミルトンは、インタビューでフェルスタッペンが追いついてきた床に対してプレッシャーを感じたか、というしつもんに、「別に」、と応えている。ハミルトンの強がりのようにも聞こえたが、このコメントには、“クルマが壊れていなければ問題なし”という気分が込められていたかもしれない。


もうひとつ、フェラーリが開幕戦で原因不明の不調に陥っていたことも計算に入れておくべきだろう。テストでは間違いなくフェラーリは速かった。バーレーンで元に戻るのか、それとも、気温が上がると問題が出るのか。

とはいえ、ホンダ・パワーが進化して、レッドブル・ホンダもトロロッソ・ホンダもスピードアップしているのは間違いないところ。今週末のバーレーンGPでこそ、その真価が見られるはずだ。

[STINGER]山口正己
photo by REDBULL

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1位マックス・フェルスタッペン491ポイント"
2位セルジオ・ペレス240ポイント
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1位レッドブル・レーシング860ポイント
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