1000GPのホンダ・パワー首脳陣のコメント
1950年から1000レース目のF1GPとなった中国GPで、ホンダF1レーシングのレッドブル・ホンダとトロロッソ・ホンダは、4台のうち3台が入賞、ファステストラップを記録してファステストラップポイントも獲得した。
1周目のターン6で、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが、カルロス・サインツのマクラーレンと接触、弾かれてマクラーレンのもう1台のランド・ノリスにタイヤを蹴飛ばされ、ノリスは大きくジャンプ、クビアトもマシンにダメージを負い、さらにドライブスルーペナルティーを科されて大きく後退。結局ダメージの影響でリタイアを喫した。
トロロッソ・ホンダのもう1台、アレキサンダー・アルボンは、土曜日のフリー走行で激しいクラッシュを喫し、ピットスタートだったにも関わらず、ぐいぐいとポジションを上げ、10位に入賞するという殊勲のレース。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、ルクレールのフェラーリをパスして4番手に浮上、3位のセバスチャン・フェッテルを追い詰めたが4位でフィニッシュした。
一方、徐々にマシンに親しんできたピエール・ガスリーは3回ピットインの作戦でファステストラップを記録。エクストラポイント1点を計上した。
田辺豊治ホンダF1レーシング・テクニカルディレクター
「先日のバーレーンGPに続き3台が入賞できました。フェルスタッペン選手のいい走りとレッドブルの戦略が上手く噛み合い、ポディウムには届きませんでしたがフェラーリの2台の間に割って入る4位。バーレーンに続いての入賞となったガスリーは、レース終盤にはファステストラップも獲得し、明るい話題を提供してくれました。今後のレースに向け弾みが付くことを期待しています」
トロロッソ・ホンダについては、土曜日に激しいクラッシュを喫したアルボンが、10位で入賞。ピットレーンスタートの最下位から追い上げる難しいレースで、マシンのパフォーマンスを活かし見事なオーバーテイクを見せ、最後は激しいライバルの追い上げを凌ぐいい走りを見せてくれました。限られた時間の中で懸命にマシンを修復し、レースに間に合わせたチームの努力にも感謝しています。クビアトは、マシンのダメージによりリタイアす ることになり、残念でした」
「PUとしても、色々なことが起こった週末でした。金曜に発生したクビアト選手のPUに関する問題や、クラッシュのダメージなどの分析を早急に行ない、次のレースの準備を進めます。開幕戦と第2戦に続き、トップチームと我々とのパフォーマンス の差が明らかに結果に現れたレースでもあったので、その差を詰めるべく、チーム一丸となって開発を進めます」
フランツ・トスト・レッドブル・トロロッソ・ホンダ代表
「レースウイークの始めから競争力のあるパッケージを準備できました。中団でいい勝負ができていたので、予選ではいい結果を期待していました。残念ながらFP3の終盤でアレックスがクラッシュし、マシンに大きなダメージを負ってしまいました。 モノコックを交換するなど多くの作業が発生し、予選を走らずピットレーンから決勝を走ることになりましたが、多くのマシンをオーバーテイクし、ポイント圏内の10位でフィニッシュでき、いいパッケージであったことを証明してくれた と思います」
「ダニールは不運なことに、1周目で後ろから接触されバランスを崩し、ノリス選手がトラックに戻ったところでダニールのマシンの左前輪に接触。なす術がなかったと思っていますが、ドライ ブスルーペナルティーを科されてしまい、その後のピットストップの際にフロントノーズのダメージを確認し、次のピットストップの際にフロントウイングを交換しましたが、ポジションを下げる結果となり、PUのマイレージを節約するためにもリタイアを決めました。ダニールはいいラップタイムで走れていてポイント獲得の可能性があっただけに残念です」
クリスティアン・ホーナー・アストンマーチン・レッドブル・ホンダ代表
「いいチームワークのおかげで、4位と6位を獲得できました。2回目のピットストップを早めに行なうという作戦で、マックスがルクレールを抜くことができました。表彰台獲得のため、さらに前のベッテルのオーバーテイクを目指しましたが、果せまんでした」
「ピエールはマシンへの習熟を進めて今日もいい走りを見せ、ファステストラップを記録してフェラーリに続いて6位でフィニッシュ。ファステストラップのポイントも獲得できて自信を付けたと思います」
[STINGER]大和 空/Sora Yamato
photo by [STINGER]