優勝はお預け–ホンダの前半戦
カナダGPで2019F1GPWは21戦中の7戦を終え、シーズンの1/3を消化した。ここまでをメルセデスが7連勝しているが、直近のモナコGPとカナダGPを観る限り、メルセデスが手を着けられない強さで突き進んでいるわけでもない。
特にモナコGPでは、終盤、マックス・フェルスタッペンのレッドブル・ホンダがルイス・ハミルトンのメルセデスの背後をつつき回り、シチュエーションが違えばフェルスタッペン+レッドブル・ホンダが尼に出てもいい展開だった。
しかし、フェルスタッペン+レッドブル・ホンダは、ピットでのボッタス+メルセデスの進路を阻害したカドでペナルティを取られていたから、「勝ったかも」というのは希望的観測に過ぎないかもしれない。狭いモナコで抜けないことをハミルトンは当然知っていて、ちょうど1992年のアイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)がナイジェル・マンセル(ウィリアムズ)の前に立ちはだかって、中盤以降を面白くしたときのように、フェルスタッペン+レッドブル・ホンダがハミルトンに弄ばれた感もなくはない。
カナダGPでは、予選アタックの2回目をイエローフラッグに阻まれたフェルスタッペン+レッドブル・ホンダが、9番手グリッドから鬼神の追い上げを見せ、ボッタス+メルセデスに迫る5位。ルノーの2台をオーバーテイクして見せてくれた。
第7戦までのホンダの成績をみると、すべて最上位はフェルスタッペン+レッドブル・ホンダが、安定した以下のような結果を記録している。
Rd.1 オーストラリアGP・・・・3位
Rd.2 バーレーンGP・・・・4位
Rd.3 中国GP・・・・4位
Rd.4 アゼルバイジャンGP・・・・4位
Rd.5 スペインGP・・・・3位
Rd.6 モナコGP・・・・4位
Rd.7 カナダGP・・・・5位
実に頼りになるマックス・フェルスタッペンのポテンシャルが垣間見える結果だが、レッドブル・ホンダのポテンシャルも当然あってこそ。ということで、シーズンのセクター2となる中盤戦で、ピエール・ガスリーにエンジンがかかって、上位争いに期待したいところだ。
その“セクター2”の最初のレースが、ガスリーの母国フランスGPであることが、期待を上向けている。今週末のフランスGPでは、ピエール・ガスリーのレッドブル・ホンダに注目していおきたい。
[STINGER]山口正己
photo by REDBULL