マクラーレン好調の謎?!
前戦のカナダGPでルノーF1チームの2代の活躍が印象的だったが、フランスGP初日の主役は、マクラーレンの二人だった。ランド・ノリスが5番手、カルロス・サインツが7番手と、三強に食い込んだ。
マクラーレンの二人は、午前中のフリー走行から極めて順調にプログラムを消化し、常に上位のタイムで初日を終えた。マクラーレンが好調な理由はなにか。
ルノー・エンジンの進化という声もあるが、ならばご本家のリカルド+ルノー12番手、フルケンベルグ+ルノー14番手の説明がつかない。考えられることとして、同じポールリカール・サーキットで行なわれた1990年のフランスGPを思い出す。レイトンハウスのイーバン・カペリが、予選7番手から2位に入賞したレースだ。
アドリアン・ニューウェイの出世作となったレイトンハウスCG901は、空力を突き詰め、その厚みが空気の流れを乱すから、ということで、リヤウィング下面にステッカーを貼らせないというほどこだわりのマシンだった。
しかし、こだわり過ぎがピーキーな特性となって、不振にあえいでいたが、フランスGPだけは違った。それは、ポールリカール・サーキットの路面がフラットだったからだ。空気が綺麗に流れることで、ニューウェイの作品が力を発揮したのだ。
マクラーレンMCL34がレイトンハウスCG901と同じかどうか断言はできないが、2人の好調さをみると、この勢いはレースでも続きそうだ。
[STINGER]山口正己
Photo by McLaren