アロンソは永遠にインディ500に勝てない?!
『RACER』のウェッブサイトによると、マクラーレンのCEOであるザック・ブラウンが、マクラーレンが来シーズン、インディカーにフル参戦するとコメントしたという。何をいまさらというしかない。
マクラーレンのインディカーの中心となるのはフェルナンド・アロンソ。グラハム・ヒルに次ぐ世界三大レースの覇者になることをレーシングドライバーとしての総仕上げとしているアロンソが残すのは、インディ500だけ。そのめにインディカーにフル参戦? 一見、正しい決定に見えるが、基本が何も分かっていない。
ブラウン代表は、インディ500はインディカー・シリーズの1戦ではあるけれど、他のシリーズとは別世界。インディ500で勝つために、インディカーシリーズに参戦することは、まったくといっていいほど意味がない。
アメリカ人でレースフリークを自称するザック・ブラウンが、そこに気付いていないことに驚くが、アロンソも、その方法が正しいと思っているのだろうか。
アロンソが、今年のインディ500予選落ちを喫したのは、ひたすらチームの体制創りを間違えたから。シリーズに参戦して、インディ500に勝つためのノウハウを構築するというストーリーだろうが、10年計画ならまだしも、三冠達成にはどう考えても無理がある。
インディ500に勝ちたければ、例えば、アロンソが初参加して佐藤琢磨が勝った2017年のように、優勝経験チームの一員になることが最短距離であり、唯一の道と、断言できる。
もしかすると、アロンソがブラウンの能力に気がついて、引き止め工作としてインディカー全戦をブラウンが提案しているのかもしれないが、インディ500に勝ちたければ、アンドレッティ・オートスポーツかチーム・ペンスキー、さもなければチップ・ガナッシ、どんなに悪くてもエド・カーペンティアと組むことだ。ザック・ブラウンが迷走から抜け出せない限り、アロンソは永遠にインディ500に勝てないだろう。
[STINGER]山口正己
photo by INDYCAR