アントワン・ユベール、安らかに
8月31日に、スパ-フランコルシャンのFIA-F2第10大会のレース1のアクシデントで天に召されたアントワン・ユベールの葬儀が、アクシデントから10日後の9月10日、母国フランス北部のシャルトル大聖堂で、しめやかに行なわれた。
教会の椅子の上には、ユベールがカート時代からレースを戦ってきた13個のヘルメットが並べられ、失意の家族に寄り添うために、カート時代から、仲間として、そしてライバルとしてF1への階段を上がってきたフェラーリのシャルル・ルクレールやトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーなどのF1ドライバーを始め、ルノー・スポール・アカデミーの仲間を中心とする多くのF2とF3ドライバーが参列した。また、FIA会長のジャン・トッドやFIA-F2のブルーノ・ミッシェル、フランス人唯一のF1ワールドチャンピトンで、ルノーF1チームののアドバイザーを務めるアラン・プロストや、フォーミュラワンを統括するチェイス・キャリーとマネージングディレクターのロス・ブロウンなどが、ユベールの早すぎる死を悼んだ。
3歳の時に、ラリードライバーだった父親からレーシングカートをプレゼントされたアントワン・ユベールは、シャルル・ルクレールやピエール・ガスリー、エスティバン・オコンたちとともにカートからフォーミュラレースを闘い、2018年にGP3のチャンピオンを経て今年FIA-F2にデビュー、F1の夢に近づいていたが、9月22日の23回目の誕生日を前に、志半ばでその生涯を閉じた。
アントワン・ユベール、安らかに。
[STINGER]山口正己
photo by formulaone.com