F1が面白くなってきた!!–ドライバーのキャラが立っている
日本に第二期F1ブームがやってきた1987年、現在のF1と大きく違っていたのは、ドライバーのキャラが立っていた、ということだ。それぞれ明確な個性がしのぎを削っていたが、F1がその状況に戻りつつある。
日本にF1ブームがやってきた1987年。まず、アラン・プロストとアイルトン・セナ、そして、ネルソン・ピケとナイジェルマンセルの、4天皇と呼ばれた彼らを、ゲルハルト・ベルガー、ミケーレ・アルボレート、リカルド・パトレーゼといった渋みのある存在がささえ、ステファン・ヨハンソン、ティエリー・ブーツェン、イーヴァン・カペリ、そしてアンドレア・デ・チェザリス、ルネ・アルヌーが一味違う存在としてF1を面白くしてくれていた。
最近のF1がもの足らなかったのは、ドライバーの個性が見えにくいことだったが、ルイス・ハミルトンという絶対王者に対抗できるマックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレールの登場で、キャラクターが見え始めた。イタリアGPでルクレールとトップ争いを展開したルイス・ハミルトンは、ベテランとニューフェイス。ルクレールとフェルスタッペンが、果敢な若手として世代交代を感じさせている。
この3人を中心に、セバスチャン・フェッテルやキミ・ライコネンというベテランのチャンピオン経験者やダニエル・リカルドやバルテリ・ボッタス、ロベルト・クビツァなど実力派の優勝経験者がいて、勢いがあるカルロス・サインツや、才能あふれるアレキサンダー・アルボン、ランド・ノリス、ジョージ・ラッセルが加わり、セルジオ・ペレスやダニール・クビアトのような渋いキャラクターや、ファンを心配させるピエール・ガスリーやロメイン・グロジャンもいる。
キャラが立つと応援の対象が明確になり、応援の対象が明確になるとF1は、面白くなる。
[STINGER]山口正己