鈴鹿のタイヤ選びに興味津々!?
鈴鹿サーキットのために、各チームが選択している13セットのピレリ・タイヤの配給比率を見ると、なかなか面白い傾向が見える。
まず、メルセデスは、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスがまったく同じ、ハード1セット、ミディアム4セット、ソフト8セット。
ハード1セットというのは他にも見える選択だが、ミディアム4セットは全チーム中唯一の選択だ。相対的に非常にコンサバな選び方といえる。
注目は、フェラーリとレッドブルの4人が、ハード1セット、ミディアム3セット、ソフト9セットと、まったく同じ選択をしているところか。トップ10グリッドのドライバーは、予選のQ2でタイムを出したタイヤでレースをスタートしなければならない、という規則が微妙に影響して、スタートタイヤをソフトにするか、ミディアムになるかで、流れが変わってくる。
スタート時点では当然ながら燃料が重く、タイヤに負担がかかる。軽くなれば、負担は減り、さらにタイヤラバーが乗ることで、グリップは向上してタイムが上がってタイヤが長持ちする方向だが、マーブル(タイヤカス)が多くなって走行ラインが限定されてくることも考える必要がある。
面白いのは、ルノーとハースが似たような選択をしているところだ。ダニエル・リカルドがミディアム2セットに対して、チームメイトのニコ・フルケンベルグがミディアム1セットという違いも興味を引く。
中団グループでは、マクラーレンの二人が、ミディアム3セット/ハード1セットに対して、レーシングポイント勢がミディアム2セット/ハード2セットという辺りも、拮抗する中団の中で、それぞれのチームの思惑が交錯して面白い。
さらに、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトとピエール・ガスリーが、マクラーレンとまったく同じ選択であることも、想像力を逞しくする。
各チームが、金曜日のフリー走行でどんなプログラムを組んでいるのか、今から楽しみになってきた。
[STINGER]山口正己
photo by PIRELLI