新しくて古い“合衆国”のグランプリ
今週末は、オースチンでアメリカGPが行なわれる。アメリカGPは、何度か中断と再開を繰り返して歴史を刻んできた。最後の中断は2008年から2011年。2012年にサーキットof theアメリカスで復活して以降、今年で8回目となるが、実はアメリカGPが最初に行なわれたのは1959年と意外と古く、今年が41回目のレースになる。
そのアメリカGPを特徴付けているのは、5回もの中断と復活を繰り返してきたことと、過去40回を、多様なコースで開催していることだ。1959年のシーブリング(古い読者にはセブリングの方が通りがいいが、現地ではこう発音する)に始まり、リバーサイド、ワトキンスグレン、ラスベガス、ダラス、デトロイト、フェニックス、インディアナポリス、そしてサーキットof theアメリカス。実に9箇所。
実はこの他に、1976年から1983年までを、アメリカ西GPとして、今ではインディカーの舞台となっている西海岸のロングビーチで開催しており、この8年間は、アメリカで年に2回のグランプリが存在した。つまり、アメリカGPは、合計48回を9箇所のコースで行なわれた、ということになる。アメリカらしく、州や人種だけでなく、F1GPも“合衆国アメリカ”を投影しているようだ。
[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]