タイヤが見たアメリカGP–ボッタスが2ストップで優勝、ハミルトンは1ストップで6度目チャンピオン
2019年11月3日に、オースティンのサーキットof theアメリカスで行なわれた2019F1GP第19戦アメリカGPは、メルセデスのバルテリ・ボッタスが2ストップで今期4度目の優勝、また、1ストップ戦略のチームメイトのルイス・ハミルトンは、2位でゴールし、6度目のワールドチャンピオンを獲得した。
サーキットof theアメリカスでは、例年どおり、幅広い戦略が展開され、レース終盤にはトップ3間で緊迫した戦略的な闘いが見られた。
53周で行なわれたアメリカGPのキーポイントは以下の通り。
• ポールポジションからスタートしたボッタスは、2回目のピットストップ後、ハミルトンを追う形になり、フレッシュなタイヤのアドバンテージを活かし、レース終盤トップに立った。
• ハミルトンは、トップ10でミディアムタイヤを装着してスタートしたドライバー中の一人で、長いオープニングスティントを走行してハードに交換する 1 ストップ戦略を採った。この戦略には、完璧なタイヤマネジメントが必要だった。
• レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、ボッタスと同様のミディアム – ハード – ミディアムの2ストップだったが、最後に、追越し禁止のイエローフラッグに阻まれてハミルトンを抜けずに3位でフィニッシュした。
• フェラーリのシャルル・ルクレールは、3種類のコンパウンドを使用した2ストップで4位。ソフトタイヤを使用したファイナルスティントでファステストラップポイントを獲得した。
•レッドブル・ホンダのアレキサンダー・アルボンは、接触でオープニングラップのピットインを余儀なくされ、ただ一人の3ストッパーになったが、追い上げて5位を奪った。
• トップ6で5種類の戦略となり、戦略の多様性が強調された。
• 昨日同様の温暖なコンディションがタイヤ動作に影響し、硬めのコンパウンドが好まれる傾向になった。
各コンパウンドのパフォーマンス
*ハード/C2
鍵を握るレースタイヤとなり、アルボン以外の全ドライバーがハードを使用。1ストップで優勝を狙ったハミルトンは、ハードタイヤの最終スティントで32周を走行した。
*ミディアム/C3
4名を除く全員がミディアムを使用。また、グリッドの上位5名がミディアムでスタートした。
*ソフト/C4
ファステストラップの4位のルクレールを含め、多くが燃料の軽いファイナルスティントでソフトを使用。
◆マリオ・イゾラ・ピレリ カーレーシング責任者
「1ストッパーで優勝を狙ったハミルトンと、フレッシュなタイヤで後を追うドライバーたちとの緊迫した闘いがレース終盤に見られました。ハミルトンは優勝できませんでしたが、戦略の重要性を示す見応えある闘いでした。スリリングなレースを経て、6度目のドライバーズタイトルを獲得したルイスを讃えたいと思います。また、ハミルトンと異なる戦略でレースを制したバルテリも祝福します。気温が低かった金曜日よりも温暖なコンディションとなったことで、硬めのコンパウンドを使用した 1ストップもしくは 2 ストップの判断が難しくなったと思います。実際、表彰台中の2名が2ストッパーで、上位から下位まで、終始広範囲に渡る戦略が見られました。これは、我々がまさに求めていたレースです」
【STINGER】
photo by PIRELLI