バトン、次はNASCAR?!
ホンダ・エンジンで最後を走ったF1から、主戦場を日本に移し、Honda NSXでタイトルを奪ったスーパーGTを、今シーズン限りで“卒業”するジェンソン・バトン。次の闘いの場として、NASCARが話題になっている。
NASCARで3度シリーズチャンピオンを奪っているトニー・スチュワートは、motorsports.comでジェンソン・バトンの可能性を尋ねられてコメントした。
「ファン-パブロ・モントヤの前例がある。レーシングドライバーは、どんなマシンに乗ってもレーシングドライバーだ」。
オーバルコースを中心に行なわれるNASCARは、特殊なテクニックが必要と思われているが、確かに、同じ方向にしか回らず、350km/hを超えるハイスピードで、2トンを超えるマシンでの闘いは、F1とは違うノウハウが必要。例えば、スピンしたら、下手な修正をしない方がいい。カウンターステアの方向に飛んで行って、正面からクラッシュすることになるからだ。
これは、NASCARではないが、同じオーバルコースのインディ500に参戦した時に、クラッシュして両足複雑骨折を負った3度のワールドチャンピオンのネルソン・ピケの名言だ。
修正能力が極めて高いといわれたナイジェル・マンセルも、インディカー(当時はCART)で初めて走ったときに手痛いクラッシュを味わった。
しかし、そうした特殊性はトップドライバーなら直ぐに慣れるはず。スチュワートが言いたいのはそこだが、さて、バトン、NASCARを走るのだろうか。
[STINGER]山口正己
photo by Honda