親善大使だけではないハミルトンの果たしている役目
ブラジルGPが稀に観るスペクタクルだった理由は、いくらでも挙げられる。だが、キモはルイス・ハミルトンの存在だった。F1FPの中心的存在として、非常に効率的な役を演じた。
前戦のアメリカGPでタイトルが決まり、残り2戦は消化試合になるのではないかという心配の声があったが、ルイス・ハミルトンのおかげで、その心配は消し飛んだ。
ハミルトンの最近の言動をみていると、チャンピオンとして、自分が生き、お世話になったF1GPという世界に恩返しをしようと思っているのではないかと思える。
例えば、シャルル・ルクレールがドライバーof the dayに選出されたバーレーンで、ハミルトンは、バトルを展開したルクレールに対して、「シャルルは週末通してずっと素晴らしい仕事をしてたし、彼には輝かしい未来が待ってるよ」とコメントしている。
有能な若手をたたきつぶすのではなく、懐を広げて歓迎し、その上で力一杯闘うレースを闘いたがっている。そう思えるコメントだ。
今回も、最終ラップの最終コーナーで自分と闘って一歩も引かずに2位を堅持したピエール・ガスリーを讃えるコメントを残した。
ハミルトンが闘いのモードを持続する限り、F1GPは、中身の濃い面白さを提供してくれそうだ。
11月29日金曜日に幕開けする2019年F1GP最後の1戦となるアブダビGPがどんなレースになるのか、今から楽しみになった。
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[STINGER]山口正己