フェラーリの御難の行方
フェラーリは、最終戦のアブダビGPを前に、ふたつの大きな問題を抱えている。まず、ブラジルGPの同士討ち。トップのフェルスタッペン+レッドブル・ホンダを追っていたセバスチャン・フェッテルとシャルル・ルクレールが接触し、お互いが罵り合った、という表現が主流になり、イタリアマスコミを中心に、大騒ぎ。
スクーデリア・フェラーリのビノット代表は、二人をマラネロに呼んで自体は修復したとしているが、レースがスタートすれば“ライバル関係”になるのは自然な流れだ。
ただし、接触の後に罵り合った、とされているが、罵ったのは相手ではなくて、“起きた事態”に対して、という解釈もできる。面白くないから誰もそう言わないだけ?
もう一つが燃料問題だ。違反が指摘され、慌てたフェラーリが、規定に合致した燃料に戻したから、ベルギー-イタリア-シンガポールの連勝が止まった、というのが外野の見方。ビノット代表は、“敗因は、マシンのバランスで、燃料は関係ない”としているが、フェラーリの燃料システムがFIAに押収されて調査されている、というウワサが飛んでいる。
ここにきて、メルセデスの最速伝説をレッドブル・ホンダが覆して歴史が大きく方向展開しようとしているが、フェラーリが混乱から抜けだして、戦列に加わることを祈るばかり。
[STINGER]山口正己
photo by FERRARI