山下健太、TS050初乗りベストタイム!!
ヤマケンこと山下健太が、12月15日、前日にWEC2019-2020第4戦のバーレーン8時間レースが行なわれたザヒール・サーキットで、2年連続ルマン24時間レースウィナーのトヨタTS050 HYBRIDのステアリングを握って44周を走り、3人のルーキーの中で最速タイムを記録した。
テストに朝、砂漠には珍しい2度の豪雨で午前中のセッションは難しいコンディションになったが、午後には砂漠らしい乾いた気候の中で、16時までの予定通り、テストを消化した。
今回のテストには、すでに一度トヨタTS050 HYBRIDを経験しているテストドライバーのトーマス・ローラント、2019FIA-F2チャンピオンでフォーミュラEでメルセデス・ワークスに乗るニック・デ・ブリース、そして2019スーパーGTチャンピオンでWECチャレンジプログラムの一員である山下健太の3名に白羽の矢が立ったが、山下は、初体験のLMP1マシンを天性の閃きと冷静なドライビングで巧みに操って、3人の中で最速タイムを記録した。
ちなみに3人とも、LMP2マシンで前日のバーレーン8時間を走っている。
山下健太とニック・デ・ブリースは、テストを前に、12月9日月曜日にドイツ・ケルンにあるTOYOTA GAZOO RacingのWEC前線基地であるTMGでシート合わせをするとともにシミュレーターで“練習”を積んでいたが、山下が同条件で走ったデ・ブリースよりも速かったことは特筆に値する。
TOYOTA GAZOO Racingのである山下健太は、育成プログラムの一環として初めてTS050 HYBRIDをドライブして44周を消化。山下健太と同じ24歳のニック・デ・フリースも、初めてのTS050 HYBRIDで43周を走った。
山下健太
「TS050 HYBRID に乗る機会を与えていただいて本当に感謝しています。まず、ステアリング上のスイッチがたくさんあって、指示通りに操作するのに精一杯で、チームラジオに返答する余裕もなく大変でしたが、そこに慣れるとある程度走れるようになり、新品タイヤも2セット使わせてもらい、ラップタイムも向上していきましたが、まだ覚えなければならないことが多く経験が必要です。このテストは、スキルを磨き、貴重な経験を積むのに役立ったと思います。今後も機会があればまた乗りたいです」
ニック・デ・フリース
「今回のテストは本当に楽しめました。機会を与えてくれたTOYOTA GAZOO RacingとWECに感謝します。TS050 HYBRIDの高いグリップ力に驚きました。4輪駆動とトラクションコントロールによる走行性能は信じられないレベルで、未知の経験でしたが、ドライブの感覚は全く自然で、燃料カットや異なるブースト戦略にもすぐ馴染めて本当に楽しかったです」
[STINGER]山口正己
photo by GAZOO RACING