フェッテル、試練の2020
セバスチャン・フェッテルのポジションが危うい。F1の2年目、フェラーリ初年度のシャルル・ルクレールに差をつけられている。
2019年の21戦、フェラーリの二人の成績は、以下の通りだ。
第7戦のカナダGPまでは、先輩のフェッテルが優位に闘いを進めていたが、ルクレールがフェラーリに慣れ始めた第8戦のフランス以降にポテンシャルを見せ、確実に前に出た。極めつけは、第13戦ベルギーGPからの4連続ポールポジション。シーズン通して、ポールポジションはフェッテルが2度だったのに対して6度、フェッテルの1勝に対して2勝と、完全に主導権を握った。
この活躍でルクレールは、2024年までという稀に観る契約をフェラーリと交わしたが、フェッテルの契約は2020年まで。つまり、2021年の契約は、ない。
引退もささやかれているが、ここで引退では完全に負け犬のレッテルを貼られてしまう。「2020年に取り返す」とフェッテルは言ったが、2010年からの4年連続チャンピオンが、レッドブルのマシンが優秀だったから、といわせないために、2020年にどんなレースを闘うのか注目される。
[STINGER]山口正己
photo by FERRARI