アロンソ、マクラーレンにサヨウナラ
出たり入ったりの結果、フェルナンド・アロンソは、結局マクラーレンと離れることになった。
ダカール・ラリーで才能を披露した後、アロンソの次のターゲットは5月末のインディ500だが、今年はマクラーレンが用意したチームではなく、アンドレッティ・オートスポートからの参戦になる。昨年の予選落ちは、クラッシュしたマシンの修復が間に合わなかったため。セッティングも充分ではなかったが、マシン修復を間に合わせられなかったのは、チーム力として話にならないレベルだったことになる。
ザック・ブラウンが主導するマクラーレンもマクラーレンなら、アロンソのどっち着かずの動きも、気になるところだ。パリダカはうまく走れたが、インディ500はうまくいくのか。2017年の初挑戦の時、予選を前にした段階で、「枡目を一つ一つ埋めていく地道な作業を覚悟していた。レース中もその作業を続けて(インディ500という特殊なレースを覚えて)いくつもりだったけれど、予選を前に、すべての枡目が埋まった)」とコメントして学習能力の高さでアメリカを驚かせていた。
事実、レースでも、エンジントラブルがなければ優勝の可能性もあった。しかし、2019年は、体制を変えてのチャレンジとなった。アロンソのこうした一貫性のなさが、勝利を遠のけている可能性は払拭できない。
モナコGP、ルマン24時間、そしてインディ500をグラハム・ヒルに次ぐ二人目の三冠王になったとして、そこにどれだけの価値があるか分らないけれど、価値ある勝利であるなら、ダカール・ラリーでよそ見するのではなく、集中したらいいのに、と思う。アロンソに必要なのは、彼の手綱をしっかり握れるマネージャーの存在かもしれない。
[STINGER]山口正己
Photo by McLaren