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アロンソ、F1に完全復帰?!

2007年にマクラーレンでコンビを組んだハミルトンとアロンソ。ともに4勝/109ポイント。まったく互角。つまり、“勝負”は着いていない。

初出場のダカール・ラリーで3位に食い込んで、“運転”の才能をさらに披露したフェルナンド・アロンソ。次の目標はインディ500を制覇して、グラハム・ヒルに並ぶ世界三大レースの覇者になることだ。

それは悪いことではないだろうが、ドライビングはもちろん、あらゆる意味で最高のポジションは、やはりF1であることは疑いのないところだが、ここ数年のフェルナンド・アロンソは、F1への興味を失って目標設定が散漫になっているように映って見える。

F1から離れた理由としてアロンソは、ここ数年のF1が、かつてのようにモチベーションを持てないことを挙げ、戻るためには、勝てるチームが必要、ということも明言していた。少なくとも、それはマクラーレン・ホンダにはなかった。ホンダと分かれた後のマクラーレンにもなかった。

しかし、事情が少し代わってきた。マクラーレンに、アンドレアス・セイドルが加入して体制を建て直し、若き才能のカルロス・サインツとランド・ノリスの活躍で、2019年のマクラーレンはシリーズ4位、“三強以外”で一番強いチームに戻ったからだ。

まだ、アロンソの望み、つまり、2005年と2006年にタイトルを取ったルノーや、タイトルに手が届くポジションにいた2008年のマクラーレン、そして2010年のフェラーリのレベルには到達していない。だが、だったとしても、マクラーレンの上昇カーブは、悪くない角度を保って2020年を迎えた。アロンソがF1に戻る条件が整いつつある、ということだ。

◆ライバルはハミルトン
もうひとつ、アロンソを“その気”にさせているのが、2008年にマクラーレンで『黄金コンビ』を組んだルイス・ハミルトンの存在だ。2008年は、フェラーリで6勝したキミ・ライコネンにタイトルは奪われたが、アロンソとハミルトンはライコネンと僅か1点差の109ポイントに並び、二人とも4勝と、まったく同じ成績だった。

そこから12年目、ハミルトンは今年、7度目のワールドチャンピオンを目指してF1を闘う。最強のハミルトンに真っ向勝負ができるのは、自分しかいない、とアロンソは思っている。ハミルトンが7回目のタイトルを狙っているのをまだ2回しかタイトルを手にしていないアロンソが、黙ってみていられないだろうと考えるのはごく自然な想像だ。マクラーレンがもう一歩レベルを上げることを期待して、アロンソの決意はかなりの確度で固まったと見ていいかもしれない。

ただし、世の中はアロンソの都合だけでは動かない。マクラーレンの二人のドライバーが、若さに似ず、素晴しい仕事を今年も続けるはずだからだ。

ともあれアロンソは、インディ500にさっさと勝って、本業に戻るべき、という流れを期待したいところだが、ここでもアロンソの前に立ちはだかるのは、インディ500に勝つのは、そう簡単ではない、ということだ。

インディ500が、運転の腕前があれば勝てるなら、2017年でも2018年でもアロンソは勝ったはずだがそうならなかった。インディ500の難しさは、誰にでもチャンスがある、というアメリカン・スタイルにある。闘いはギリギリの密集状態で拮抗し、その中から一人だけが優勝できる。

2017年に佐藤琢磨がインディ500に勝てたのは、そうした拮抗状態の中かで、『流れと運』も着実に引き込んだからだった。その『流れと運』は、優勝候補全員に平等に与えられる。1911年に始まったインディ500に連勝ドライバーが史上5人しか存在せず、3連勝がいないのは、強ければ勝てるレースではないからだ。

インディ500の最新の2連勝は、エリオ・カストロネベスの2001-2002年。その前の連勝は、アル・アンサーの1970-1971年、つまり30年前だったが、カストロネベスの連勝から、まだ18年しか経っていない。アロンソは、連勝の前に、まず1勝しなければならない。

インディ500に勝つことが以下に難しいかは誰が考えても直ぐに分かるが、アロンソには、理解できていない。しかし、参戦しなければ勝てない、というのも、事実。

[STINGER]山口正己
photo by Jiri Krenek/activepictures

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