ルイス・ハミルトンがフェラーリ!?
2020年の幕開けが未定であり、2021年シーズンの行方など、さらにその向こう側だが、騒ぎが納まった時に話題のひとつとして、ドライバーの将来の道がある。何人かは、今年一杯でチームとの契約が切れ、更新する必要がある。その一人が、ルイス・ハミルトンだ。
ほぼ間違いなく、ルイス・ハミルトンはメルセデスとの契約を更新するはずだ。メルセデスにとって、ハミルトンが最も移籍してほしくないのがフェラーリだからだ。
トト・ウルフは、首に縄をつけても引き止めたい。少なくとも、ここまでの流れからして、マシンポテンシャルは、五分かフェラーリがリードしている。それを補ってメルセデスがタイトルを護れたのは、ハミルトンの手腕による。つまり、ハミルトンがフェラーリに行ってしまうと、タイトルを手放すことになりかねない。
9歳でロン・デニスのお眼鏡に叶い、というか、年末のパーティでロン・デニスに、“ボクは将来アナタのチームでチャンピオンになります”と宣言したハミルトンは、有言実行。マクラーレンでデビューした2007年の開幕戦でいきなり3位。5連続表彰台で驚いていたら続くカナダGPで初優勝。デビューイヤーに4勝し、翌年、予定通りマクラーレンでワールドチャンヒオンに輝いた。
その後、2013年にメルセデスと契約して、やはり2年目にチャンヒピオン。2019年までの7年間に6回チャンピオンを奪ったが、デビューからこれまで、パワーユニットはすべてメルセデスだった。マクラーレンもメルセデスも銀色。赤い色にはまったく縁がなかった。
しかし、ハミルトンは、フェラーリに興味がないのだろうか。これまで、フェラーリに興味がない、というF1ドライバーのコメントを聞いたことがない。ハミルトンは言わないだけかもしれないが、普通は、フェラーリでタイトルを取るのが最上級の夢のはずだ。
現在7回のタイトルは、ミハエル・シューマッハとタイ記録。もう一度タイトルを取ればF1GP史上最強のチャンピオンになる。8度目のワールドチャンピオンは、メルセデスなのか、果たしてフェラーリなのか。外野としては、気分転換に赤いレーシングスーツを拝みたい気もする。
ところで、メルセデスとフェラーリが取り合いになると、大きな決め手は契約金になるだろう。両巨頭がベットして獲得に乗り出すとなると、契約金はいったい、いくらになるのだろうか。
[STINGER]山口正己
photo collage by STINGER/Iceman
写真素材:MERCEDES/Ferrari