レース前に、牧師の挨拶、国歌独唱から再現したeRacing開幕戦
28日にネット上で行なわれた初の本格バーチャルレースとして注目されたインディカーバーチャル版のeRacing開幕戦『アメリカ赤十字グランプリatワトキンスグレン』は、思わず唸る工夫が山盛りだった。
レースがいきなり始まるのではなく、本物と同じように、牧師と歌手がお祈りと国歌独唱を行なうところから、微に入り細に入る演出が展開する。
牧師も歌手も、世界各国の自覚のシムマシンで参加したドライバーと同じようにそれぞれの自宅から映像を送った。
ドライバーの中には、マシントラブルならぬ通信回線不良でランド・ノリスが参戦できなかったり、マシンの配送が遅れたロバート・ウィッケンズが見物に回ったり、リアルのレースにはないけれど、いかにもeRacingらしいアクシデントも起きてスペクタクルを盛り上げた。
番組は1時間半以上の長編だが、3分25秒から、牧師がインディカーのトレーナーを着てお祈りを始めるところを観れば、レースのスタートを見ないわけにはいかなくなるかも!? ちなみに、最後にはちゃんとドライバーのインタビューも、本物が登場して収録されている。
いきなりレースがスタートした、F1の『F1 Esports Virtual Grand Prix』も、アメリカン思想で始まったeRacingに負けずに、いい番組になることを期待したい。
[STINGER]山口正己
photo by INDYCAR