ロス・ブロウン、「F1の半年後に光が見える」と断言!!
F1は、世界的なコロナ・ウイルス騒動の余波を受け、未だ開幕できない窮地に立たされている。だが、Formulaoneのモータースポーツ担当マネージング・ダイレクターのロス・ブロウンは、今後に向けて楽観的な意見を持っていると、Fi.comが伝えた。
ベネトンとフェラーリをチャンピオンチームに引き上げ、ホンダからメルセデスに渡ったチームを買い取ってブロウンGPを立ち上げ、いきなりチャンピオンを奪って見せたブラウンは、2017年からF1の舵取りしている。
モータースポーツネットワークの投票で、F1史上最高のテクニカルディレクターに選ばれ、ベネトンとフェラーリ、そしてブロウンGPでタイトルを奪った手腕の持ち主のブロウンは、「辛い状況をの切ったF1は、6か月後には素晴らしい状態になると思う」と語った。
ブロウンの自信のコメントは、まずはF1GPの世界が持つテクノロジー・レベルの高さと、それをなし遂げたチームやプロモーターの高度な技術レベルのノウハウに裏打ちされている。イギリス政府が、コロナ禍の中で呼吸補助装置をF1チームに依頼したのは、まさしくその現れだった。
これによってF1の信頼度がこれまでにない多くの人々に伝わった。さらにコロナ禍の影響を考慮して再検討されたマシンの開発予算制限が、大きく減額されることになった。COVID-19がなければ、この問題は、コストダウン反対のトップチームと、賛成のそれ以外のチームに意見が分かれて紛糾していたはずだった。
コロナ禍の影響で、2021年に予定されていた新しい車両規則は1年間先送りされたが、コロナ・パンデミックのおかげ(という表現は適切ではないけれど)、当初想定されたよりも格段に低い予算で可決された。他の規則もこの流れの中で、コンパクトか経済的な方向に検討されて変更になった。
車両規則によって予算が削減されると、トップチームのデザイナーは結果として足かせがかけられることになり、中団以降のチームとのデザイン上での格差が縮まる。トップチームは、優れたデザイナーやデザインチームを持っており、だから速いマシンを送り出せるが、予算が限られると、それがやりにくくなり、結果として下位チームとの差が縮まる結果になる。
“turn to disaster and become happy” (災い転じて福と成す)。ロス・ブロウンは、まさにそう言いたいのだ。
[STINGER]山口正己
photo by Formulaone.com