MotoGP日本戦中止–どうなるF1日本GP!?
既報のとおり、10月16日にツインリンクもてぎで予定されている『2020 FIM MotoGP日本グランプリ』の開催が中止された。F1GPも同じ状況に置かれており、判断が待たれる。
MotoGPを統括するドルナスポーツ社と、日本GPを主催/運営する株式会社モビリティランドとツインリンクもてぎが協議して決めたもので、言うまでもなく、国内外での新型コロナウイルスの感染拡大の状況や防止対策などを踏まえ、慎重に検討を重ねた結果、遠征開催を避け、ヨーロッパ内での開催を優先したことによる苦汁選択だった。
エスペレータ・ドルナスポーツ社CEOは、「日本グランプリの中止発表は大変残念。再開に向けて必死に調整を行ない、できるだけ多くのレースを安全に開催ができるよう検討しています」とコメントした。
ドルナが優先したのは、チームの財政状況を考慮した移動の問題だった。現在、MotoGPではホンダ/ヤマハ/スズキの国内3チームと、ドカティ、KTM、アプリリアの6ワークスを中心に、サテライト・チームとプライベートチームが参戦しているが、ワークス以外は、コロナの影響でスポンサーに困窮し、移動費が捻出できない状況となっている。
「FIMとDORNAは、各主催者と協議し、できる限りヨーロッパの中で大会を行なう方針とし、主催者のモビリティランドと協議の上、2020年の日本グランプリ中止の判断に至りました」
F1GPは、オーストリアのレッドブル・レンクで、7月3日-5日と7月10日-12日にオーストリアGPとイギリスGPを無観客で行なう予定だが、F1の参加チームは、言わば全チームがワークスであり、無観客でも消化できる経済力があるとの判断がされていると言える。
ただし、ヨーロッパを離れる日本を含むアジアや南北アメリカでのGPは、関係者の移動のリスクや、2週間の隔離などを考慮すると、先が見えない新型コロナの勢力によって、未だに予断を許さない状況が続いており、6月2日現在、F1GPを統括するFIAからも、主催のモビリティランドからも、最終的な報告は出されていない。
[STINGER]山口正己
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