浅木泰昭執行役員、ホンダF1の2020を語る
6月23日、ホンダは、ネット上で『シーズン・ブレビュー・オンライン会見』を行ない、さくらの浅木泰昭執行役員が7月3日にレッドブル・リンクで禍マクラーレンする2020シーズンを前に経緯と展望を語った。
浅木泰昭執行役員は、ただ勝つためではなく、“技術の発展とエンジニアの育成”というホンダのスタンスを説明した後に、担当した2018年と2019年を振り返りつつ、F1での思い出を伝えた。
浅木泰昭執行役員は、2015年からのマクラーレンとの厳しい状況から一転、2018年からはトロロッソ(現スクーデリア・アルファタウリ)、2019年からはレッドブルとのジョイントを機にF1に合流。さくらのセンター長だけでくなく、販売戦略を含むヒト、モノ、カネの総ての責任者として活躍、その間のパワーユニットの開発を解説した。
その後、量産部門に移り、軽自動車のNボックスを、責任者とした務めたが、その厳しい業務をこなせたのは、F1で世界一になった経験をバックボーンに、「レースはDNA」というホンダのスローガンを背景にできたからと結んだ。
コメントとして、現場からの報告書を“言い訳資料”と表現するなど、浅木泰昭執行役員らしい(ホンダ・マンらしい)表現もいくつか飛び出した。
また、2019年の3勝は、雨のドイツを除けば、オーストリアも、そして、最強のルイス・ハミルトン+メルセデスをピエール・ガスリーのスクーデリア・アルファタウリが抜き去った最終戦のブラジルも、標高が高く、ホンダ・ジェットのノウハウを使えたおかげだったと冷静に分析。メルセデスとフェラーリのパワーユニットには追いついていないことを自己分析し、2020年は平地でもそのポテンシャルを出すことを目標に開発を進めたことを明かした。
また、コロナの影響で開発が止まったことに対しては、「2020年のテーマの1/3は済んだと思う」としたが、FIAから、ヨーロッパと日本の自粛状況の違いを考慮して歩調を合せてほしい旨の依頼には、「世界が大打撃を受けた。ヨーロッパのチームが置かれた状況を考慮して、自動車界全体の流れにリンクしていく時代が、想定より早くきたと考え、FIAからのバジェットキャップなどに従っていく」と思いを述べた。
最後に、サプライズで登場した山本雅史モータースポーツ部長は、「第三期で失った9年間を、マクラーレンとの3年間で取り戻すべき勉強し、2018年にトロロッソ、2019年からレッドブルとジョイントし、フィードバックが4台に増えたことで、進化したと思うが、2020年を謙虚に闘いたいと思います」と結んだ。
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