シーズン開幕特別企画-1◆アルファタウリ・ホンダのここまで
◇スクーデリア・アルファタウリのシーズン直前テスト
2019年の昨シーズン、トロロッソはチーム史上初めての表彰台をドイツGPとブラジルGPで獲得、コンストラクターのシリーズ6位に着けた。3強に続いて、ルノーとマクラーレンが前にいるだけだった。
2020シーズンでは、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダという新たなチーム名・と、すっきりシャープなカラーリングとなり、更なる向上を目指している。
冬季テストでは、ダニール・クビアトが、1:16.914で総合11番手、ピエール・ガスリーが、1:17.066の14番手と、中団の混戦の中に紛れていた。今年もライバルは、マクラーレン/ルノー/レーシングポイントになるが、3チームとも力を着けている。
◇3月のオーストラリアGP中止後の自粛期間のスクーデリア・アルファタウリ
スクーデリア・アルファタウリは、イタリアでのコロナ騒動で、他国に拠点を置くチームよりも早くロックダウンを受け、COVID-19のパンデミック初期に最も大きな打撃を受けたチームの一つとなった。
チームは、フランツ・トスト代表も、自宅からリモートワークするなどロックダウンの影響を受ける中で、ファエンツァと英国のビスタ―を拠点とする空力部門を、リモートでつないで作業する新たな方法に切り替えて開幕に備えてきた。
◇自粛中の二人のドライバーの過ごし方
*ピエール・ガスリー
オーストラリアGPの後に、気候が安定したドバイに拠点を移し、トレーニングを行なったが、思っていたよりも長い5月まで帰国ができない状況が続いた。
その後、シミュレータに乗り、iRacingのバーチャル・グランプリ・シリーズとバーチャル・ルマン24hに参戦した。
*ダニール・クビアト
オーストラリアGP直後にモナコに戻り、自粛期間中には、ギターを演奏するなどリラックスして過ごした。レースから離れて趣味の音楽を楽しむ時間ができたが、復帰の準備も進め、6月上旬のブリニョールでのカート走行に加えて、ハードなトレーニングを重ねた。
◇開幕戦前のテスト
スクーデリア・アルファタウリは、6月25日のイモラで、2018年型のSTR13を走らせた。古いマシンなら、走行距離を気にすることなく、ドライバーがF1の感覚を取り戻し、チームやピットは、COVID-19感染防止の状況の中で、具体的な手順を練習できた。
テストの午前中では、ガスリー-クビアトの順にステアリングを握った。
長い間、コクピットを離れていた二人は、久しぶりのF1を楽しみ、感覚を味わった。
午後には、2020年用のAT01に乗り換え、フィルミングデーの撮影スケジュールに取り組んだ。
◆二人のやる気!!
*ピエール・ガスリー
「長い間待っていたけれど、ここに戻れて本当に良かったよ。運転の感覚から離れていたので、STR13とAT01のコクピットで、信じられない感激を味わった」
*ダニール・クビアト
「久しぶりのF1ドライブは、特別な気分だったし、とても楽しかったよ。ブランクが長った分だけF1カーのドライブを、いつもよりさらにエキサイティングに感じさせてくれたね」
text by M.NAKAZAWA
photo by Scuderia AlphaTauri