1年以上先をいくメルセデス!?
メルセデスが2020マシンに搭載しているトー調整機能の“DAS”について、レッドブルがクレームを提出していたが、FIAは「合法」のお墨付きを出した。
この後、レッドブルがさらに審議を申請をするかもしれないが、その前に、DASがあろうとなかろうと、メルセデスが速いことを理解しておく必要がありそうだ。速いのは、DASの恩恵ではない。
待ちに待った2020開幕戦の初日に行なわれた1時間半×2のフリー走行で、明確になってのは、まずは、メルセデスが速さを持続していることだったが、それよりショッキングだったのは、メルセデスの昨年型をベースにしたレーシングポイントのペレスが、3番手を記録したことだった。
つまり、見方によってはメルセデスが、1年以上先を行っている、ということになる!?
ちなみに、通常の1分30秒ほどの平均的コースの場合、0.3秒差が着いたら絶望的といわれるが、距離が短く、1分そこそこで走ってしまうオーストリアGPの舞台のレッドブル・リンクで、ハミルトン+メルセデスは、2番手の同僚ボッタスにさえ、0.4秒の差を着けている。絶望的以上の大差、ということだ。
メルセデスは、パワーユニットについても、“今年のテーマは耐久信頼性”としているが、これは“パワーは充分”と言っているということであり、最大出力を誇るフェラーリも、ステップ1.1で追い上げを図るホンダやルノーとは、別次元にいることの証明ともいえる。
今日の予選でさらにメルセデスの優位が明確になるはずだが、注目すべきは、3番手以下の争いが、ペレスもコメントしているように、非常に拮抗したことになることだ。
メルセデスは勝手に先に言っていただいて、中団の闘いにフォーカスしておこう。
予選は、午後3時、日本時間の22時から行なわれる。
[STINGER]山口正己
photo by MERCEDES