レッドブルのチームワークに全員が勇気づけられたホンダ陣営
見事なチームワークを見せたレッドブル･ホンダ。
ウエットコンディションのスタートとなったハンガリーGPの決勝レースで、ホンダ陣営はドラマチックなレースを展開した。
特に、アストンマーチン･レッドブル･レーシングが素晴らしいチームワークは、F1史上に残る離れ業。マックス･フェルスタッペンが2位表彰台、アレクサンダー･アルボンが5位フィニッシュを果たした。
フェルスタッペンは、インターミディエイトタイヤでスタート前にグリッドに向かう通称レコノサンスラップに出たが、右から左に切り返すターン12出口で突然コースを外れてタイヤバリアにクラッシュ!!
左フロント･サスペンションとフロントウイングを破損して万事窮すと思われた。しかし、レッドブル･レーシングのメカニックは、スタート前定刻の30秒前に作業を完了し、レースに間に合わせ、フェルスタッペンは、メカニックの働きに応えて見事なスタートを決め、2台のフェラーリとレーシングポイントのランス･ストロールを交わし、7番手から3番手へポジションアップ!!
急速に回復する路面コンディションを読んだスクーデリア･アルファタウリ･ホンダのダニール･クビアトは、1周目の終わりにピットインしてソフトタイヤに交換。アルボンとピエール･ガスリーは3周目にピットイン。フェルスタッペンは4周目にタイヤを換え、ストロールの前の2番手でコースに復帰した。
13番手スタートのアルボンは、ピットストップを終えて9番手にポジションアップ、11周目にはフェラーリのセバスチャン･フェッテル、18周目にはシャルル･ルクレールをオーバーテイクして7番手に浮上。
その直後、クビアトは2度目のピットインでハードタイヤに交換したが、チームメイトのガスリーは、ギアボックスにトラブルを抱えてピットに戻ってリタイアを喫した。
アルボンは、34周目のピットインでハードタイヤに交換してフェッテルの後でコースへ戻り、5周のバトルの後にターン2でオーバーテイク、5番手でレースを進めた。
2番手を走行していたフェルスタッペンは、ピットタイミングが異なるバルテリ･ボッタス(メルセデス)に迫られ、最後は約0.7秒差まで近づかれるもペースを守って追撃を振りきり、2戦連続の表彰台の2位でゴールした。
アルボンも、2戦連続のポイント獲得の5位でフィニッシュ。クビアトはハードタイヤに交換後52周を走りきり、12位で完走。最後はルクレールに約5秒差まで迫っていた。
ホンダF1レーシング田辺豊治テクニカルディレクター
「今日は、アストンマーチン･レッドブル･レーシングのフェルスタッペン選手とアルボン選手の2位と5位は、ここまでの我々の戦闘力と、厳しい状況だった予選を考慮すれば、喜ぶべき結果と思います」
「レース前に降り続いた雨のためにウェットコンディションで行われたレコノサンスラップのフェルスタッペン選手のクラッシュは予想外でしたが、メカニックがグリッド上で素晴らしい修復作業を行ない、フェルスタッペン選手とチームの見事なレース戦略も奏功し、2位のポジションを守りきることができ、今季最高となるこの結果は、チーム全体を勇気づける ものになりました。PUとしても最大限のパワーを出しきってサポートできたと考えています」
「アルボン選手も13番手のスタートから徐々に順位を上げ、5位入賞と、いい走りを見せてくれました」
スクーデリア･アルファタウリは、トラブルがありながらガスリー選手が週末を通していいペースを見せていただけに、ギアボックスのトラブルかちのリタイアは残念に思います。クビアト選手もピットインのタイミングで順位を落とし て入賞は叶いませんでしたが、完走して得られたデータを、今後の改善につなげます」
「来週末は久しぶりにレースが開催されない週末です。次戦のイギリスGPまでの時間を使って、ここまでに発生した問題の解析と再発対応を行ない、さらなるパフォーマンスアップを図るべく、HRD-Sakuraとミルトンキーンズのメンバーとデータの解析を進めます」
「この先も簡単なレースになるとは思いませんが、今日の表彰台を弾みとして、いい戦いを見せられればと思います」
【STINGER】
photo by Honda
