第二の故郷、思い出深いイギリスGPへ–田辺TD
1950年にF1世界選手権が開始して以来、70回目のF1GPを迎えるシルバーストン。カレンダーの中で文句なしの高速コースとして、注目を集めている。
シルバーストン周辺は、いわゆる「モータースポーツ・ビレッジ」と呼ばれ、F1だけでなく、モーターレーシングのチームやマニファクチャラーが拠点を構えている。車で40分ほどのミルトン・キーンズにファクトリーを構えるホンダにとってもホームレースと言える。
1987年には、ウィリアムズ・ホンダとロータス・ホンダが1-2-3-4の快挙を記録した思い出深いコースでもある。
高速に加えて、不安定な英国の夏の気候の中で、順応性がレースのカギを握る。ホンダ陣営は、天候の変化に注視してレースに臨む。
ホンダF1レーシング田辺豊治テクニカルディレクター
「待ちに待った2020年のF1シーズンは、アッと言う間に3連戦を終え、次の3連戦に入ります。我々はミルトンキーンズに戻り、第3戦までを精査し、レースがなかった先週末は、つかの間の休息の時間にもなりました」
「イギリスに戻っても、レースメンバーは、様々な制約や対応を継続しながらレースの準備に当りました」
「ここまでの3連戦で、アストンマーチン・レッドブル・レーシングと2回の表彰台を獲得できましたが、ライバルとの差が大きく開いていることも見えており、チームとともにその差を詰めるための対策を進めています」
「また、レースで発生したトラブルの対策やパワーユニットの使い 方の最適化検討など、日本のさくら(HRD-Sakura)と進めてきました」
「次の2戦は、英国拠点のHRD-UKに近い、イギリス・シルバーストーンサーキットが舞台です。英国の典型的な田園風景の中に広がるサーキットで、モータスポーツの母国らしく、例年はスタンドを埋めるファンが非常にいい雰囲気を作ってくれます」
「また、ドライバーが我々のファクトリーを訪問したり、スタッフやその家族がレース観戦に訪れたりと、ホームらしいレースになりますが、今年は交流イベントの開催自粛や無観客開催となるため、少し淋しいホームレースとなります」
「シルバーストーンは、名高い『マゴッツ』『ベケッツ』『チャペル』に代表される高速サーキットとして知られており、車体とPUのパッケージングの実力が試されます」
「昨年は上位争いをしながら接触により表彰台を逃す悔しいレースになりました。今年も簡単なレースになるとは思っていませんが、ライバルとの差を縮めるべく、チャレンジを続けていきます」
【STINGER】
photo by Honda