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ハミルトン、今日も薄氷!!

最終ラップ、左フロントタイヤは、すでに形をなしていない。

F1GP第4戦イギリスGPは、8月2日にシルバーストン・サーキットで52周の決勝を行ない、スタート直後と中盤に2度のセフティカーが入って広がりかかった各車の差を縮めてレースを拮抗させ、中段の10台ほどがそれぞれ1秒以下の間隔でひしめく大混戦でバトルが連発した。

その状況を余所に、メルセデスのルイス・ハミルトンが87回目の優勝を飾った。

しかし、昨日の予選に続いて、薄氷の勝利だった。

ゴールしたハミルトンは、インタビューアにジョークで、“このコースはハミルトン・ストンと呼んだ方がいいんじゃないか”と言われた。速さだけでなくツキも呼び込んだ展開は、まさにそう思えるエンディングだった。

最終ラップで、ハミルトン+メルセデスの左フロントタイヤが寿命に達してパンク。新たなタイヤを交換したレッドブル・ホンダのフェルスタッペンがぐんぐんと近づいてきていた。

フェルスタッペンは、ルクレール+フェラーリを従え、ハミルトン+メルセデスに続く2番手。最終ラップの追い上げが手に汗握らせた。

「バルテリとボクは、プッシュしながらタイヤマネージメントをしていたから大丈夫と思ったけれど、最後のストレートで突然フロントが落ちて、どうしていいた分からなくなった。ブレーキを踏んだらタイヤが落ちるし、(フェルスタッペンとの)ギャップが狭まっていたので、スピードも維持しないと追いつかれる。最後のラップでこんなことになったのは初めて。心臓がバクバクだったよ」と、ハミルトンは胸をなでおろした。

87回目の勝利は、過去にない形で終わったが、母国GPで7勝は前人未踏のF1GPの快挙となった。チームメイトのボッタスは、同じくタイヤのバンクに見舞われたが、タイヤが空気を失ったのがコース前半というツキのなさで11位でゴールするのがやっとだった。

アルファタウリ・ホンダは、クビアトは序盤にマシントラブルからのクラッシュで消えたが、ピエール・ガスリーが、最終ラップに週末に好調だったストロール+レーシングポイントを豪快にパスして7位。レッドブル・ホンダのアルボンは、スタート直後にマグヌッセン+ハースと接触して弾かれてスピン、大きく後退し、そこから追い上げて8位を得た。

来週も“ハミルトン・ストン”で連続開催となる。レースにタラレバはないといわれるが、今回に限っては、いくつでもタラレバが言える展開だった。

*ゴールがあと300m先だっ『タラ』フェルスタッペンがハミルトンに追いついた。
*フェルスタッペンが終盤に大事をとってタイヤを交換しなけ『レバ』、優勝だった。

来週のタラとレバを一番恐れているのは、ハミルトンとメルセデスかもしれない。

[STINGER]山口正己
photo by MERCEDES

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