アロンソとパロウのインディ500
明日から、第104回インディ500のスケジュールが始まる。
5月から8月に移動したインディ500を多くのファンやドライバーが心待ちにしているが、中でも、フェルナンド・アロンソとアレックス・パロウの二人のスペイン人にとって、今年のインディ500は特別だ。
アロンソは、いうまでもなく、『世界三大レース制覇』の大目標の最後の関門がインディ500であり、ここで勝つことが大命題。
アロンソの巧さと速さは、インディ500に勝つに相応しいが、インディ500は、世界の三大レースの中でも、アメリカの平等思想が反映して、最も勝つのが難しいといわれる。腕も必要だし、いいマシンも必須だが、最も重要なのは“運”。33台の全出場者に勝つ権利があり、誰が勝手もおかしくない。運が見方につくかどうか。だから勝つのがむずかしい。
例年のような長時間の予選がない“普通”のレースになる今年のインディ500の形が、勝利の難しさにどう影響するのか、気になるところだ。
一方、インディ500初参加のアレックス・パロウは、ウェッブサイトにすさまじく長文のインディへの思いをつづっている。
同じスペイン人として、当然、アロンソを尊敬しているパロウだが、「フェルナンドが初めてワールドチャンピオンになった2006年は、ボクが8歳の時」と回想している。
佐藤琢磨が初めて中嶋悟の黄色いロータスを鈴鹿で見たときは10歳だった。そして、琢磨は30年後のインディ500に勝った。
二人のスペイン人にとって、変則的なインディ500は、どうなるのだろうか。
[STINGER]山口正己
photo by ALEX PALOW