厳しかったフェラーリのスペインGP
カタルーニャ・サーキットで8月16日に行なわれた50回目の2020スペインGPは、スクーデリア・フェラーリにとって特に厳しいレースだった。
パフォーマンス・レベルが期待に応えられなかっただけでなく、信頼性の問題もあり、ルクレールがリタイアを余儀なくされた。唯一の救いは予選11位から、ソフト・タイヤで36ラップ走る2ストップ戦略を実行して7位を得たフェッテルだけだった。
スタート時点の路面温度は55度。スタートとともに、シャルルはガスリーに先行されたが、ノリスをパスして9位を維持。セバスチャンもポジションをキープしてレースを始め、28ラップ目までに5位と6位へ。
シャルルはミディアムを選択して12位でレースに復帰、セブはミディアムからソフトに換えて14位でコースに戻った。
それから長い間、2台のSF1000は4番から13番までの“列車”の中にいたが、37周目の13ターンで、電気系統のトラブルでシャルルがスピン。クルマを再始動させたものの、外していたシートベルトを締め直すためにピットに戻ることになり、彼のレースはほぼ終わっていたため、リタイアを決めた。
40ラップの後、2度目のピットストップが始まり、セバスチャンは5番手まで上昇。雨のリスクがあり、タイヤはまだ使えるだったため、チームはスティントを50ラップまで延長することにした。
この段階では、セバスチャンはタイヤをケアしながら力強いペースで走り、上手さを見せていたが、ニュータイヤを履いたレーシングポイントのランス・ストロールとマクラーレンのカルロス・サインツに対して為す術なしだったが、36周を終えたソフト・タイヤで、レッドブルのアレックス・アルボンをかわして7位でフィニッシュ。セバスチャンは3000ポイント以上を獲得した史上2番目のドライバーになった(3001点はハミルトンの3563点)。
シーズンの2回目のトリプルヘッダーを終え、次のラウンドは、1週間の短い休憩を取った後、8月30日決勝のスパ-フランコルシャンのベルギー・グランプリとなる。
セバスチャン・フェッテル
「今日は別の方法を試したらうまくいった。最初のスティントではミディアム・タイヤで苦労したけれど、2ndスティントは、ソフト・タイヤでかなり気持ちよく長い周回を走れました」
「雨の予報があったけれど、ソフトで力一杯走りました。失うものは何もなかったので、リスク覚悟で最後までやり遂げることにしました。幸いそれはうまくいき、このクルマでできる最大のことができました」
「やるべきことはまだたくさんあるけれど、現時点ではこれがボクたちの実力。ライバルの前に出られるオプションを増やすために、いくつかのリスクを負う必要があります。」
シャルル・ルクレー
「レースを終えることができなかったのは残念です。 6位かそれ以上でゴールできたと思います。ソフトに関しては非常に競争力があり、ミディアムも悪くなかったけれど、トラフィックに引っかかってしまった。ワンストップの作戦で順調に進んでいました」
「レース中盤に、突然、メーターが消えてエンジンがオフになり、後輪がロックした。何が起こったのかはまだわかりません。原因を調べています。結局、クルマは再始動したけれど、シートベルトを締め直すためにピットに戻らなければならなず、レースを続けるにはロスが大きすぎた」
「今年は昨年より少し厳しいけれど、可能な限り最高の結果をチームにもたらすためにモチベーションがあり、そのために一生懸命努力していきます」
マティアス・ビノット・チーム代表
「結果だけでなく、非常に残念な週末になりました。予選で力を出し切れませんでした。ここでは、グリッド・ポジションの重要性がわかっています。追い越しが難しいコースなので」
「にもかかわらず、レースでは、シャルルが4位を争うチャンスがありましたが、信頼性の問題があり、電子制御ユニットのトラブルでシャットダウンしてスピンし、彼のレースは終了しました」
「セバスチャンは順調に順位を上げて、粘り強さを示し、非常にスムーズにドライブしました。中古のソフトタイヤで36ラップのスティントをこなしたのは、簡単なことではなく、もっと前のグリッドからスタートしていれば、彼は7位よりも上になれたと思います」
「たとえ数点でも、コンストラクター部門で3位から(5位に)脱落しました。こポジションをキープするためには、クルマの可能性を総て引き出さなければなりません。そして、今日、周回遅れにならなかった3台のクルマ(2台のメルセデスとレッドブル・ホンダ)とのギャップを埋めるために、引き続き努力する必要があります」
【STINGER】
photo by FERRARI