プレッシャー最高潮のモンツァ!!
フェラーリのプレッシャーが最大になるグランプリは、いうまでもなくモンツァのイタリアGPだ。ミラノ郊外のモンツァ公園の中に佇むオートドロモ・モンツァは、1950年からF1GPの舞台としてモナコと並んで君臨してきた。
スタンドは、赤か黄色のフェラーリ・カラーに染まり、フェラーリを応援する大声援は、モンツァの森にこだまする。
集まる観客は、日本ではティフォシと間違って伝わってしまったが、正しくは、ティフォージ。イタリア語で、“チフス菌患者”という意味だ。要するに高熱を発する手に負えない状況、と直訳できる。
他のGPとは異質のその声援は、フェラーリだけでなく、レース全体に伝わって、イタリアGPは、毎回ドラマが生まれる。去年は、ルクレールのフェラーリがポールポジションから優勝したことで、盛り上りはさらに加速した。
“フェラーリ・ポールポジション”のニュースは、翌朝のイタリア最大のスポーツ紙『ガゼッタ・デ・ラ・スポルト』の一面トップで報じられ、クリーニング店の親父も、八百屋のお兄さんも、ホテルのフロントのお姉さんの目にも留まり、モンツァ全体、いや、もしかするとイタリア中がお祭り騒ぎになった。
その分、モンツァではフェラーリが大きなプレッシャーにさらされるのだが、それに動じないのが、シャルル・ルクレールだ。しかし、今日からスケジュールが始まる70回目のイタリアGPは、フェラーリにとって1000GPの記念すべき区切りのグランフリにもなり、盛り上りはさらに高まっている。
[STINGER]山口正己
photo by FERRARI