ホンダ陣営のロシアGP–by田辺TD
今週末のロシアGPが開催されるソチ・オートドローモは、近代サーキットの名工ヘルマン・ティルケによる設計で、2014年の冬季五輪ロシア大会のメイン会場を利用し、市街地と常設サーキットを組み合わせたコースが舞台となる。黒海沿岸を臨み、背後にはコーカサス山脈がそびえるロシア有数のリゾート地としても人気を誇る場所であり、スクーデリア・アルファタウリのダニール・クビアトの母国グランプリでもある。
市街地コースらしく、セクター2は中速の90度コーナーが連続し、最終セクターは低速コーナーで構成され、最終コーナーからターン1まではカレンダー中でも最長の全開区間の1つとなり、エキサイティングなバトルも期待される。さらに、 スロットル全開で長く曲がり込む高速ロングコーナーのターン3は、加速し続けながらクリアする難所となるが、オーバーテイクが難しいため、予選が重要になる。
ここ数戦ではHondaパワーユニットのポテンシャルで明暗が分かれる展開になっており、ホンダは全車のポイント獲得を目指して取り組んでいる。
スパ、モンツァから続く“高速3連戦”のラストを飾る一戦。パワーユニット(PU)の果たす役割が大きいレースに向けて、ホンダ陣営は着々と準備を進めている。
ホンダF1レーシング田辺豊治テクニカルディレクター
「7月の開幕以降、異例の3連戦3回のレースを終え、ここから12月の最終戦に向けて後半戦を戦っていきます」
「ムジェロのトトスカーナGPを終えてからは、フェルスタッペンのPUに発生したトラブルの原因究明と対策を重点的に推進し、様々な要素が複雑に絡んでトラブルが発生したことが分かりましたので、再発しないように1つ1つに対策を打ってレースに臨みます」
「ロシアGPの舞台となるソチ・オートドローモは、コースの一部に公道を使用してレイアウトされており、ここまで3戦続いたスパ/モンツァ/ムジェロのような伝統的な高速サーキットとは大きく異なるタイプで、2本の長いストレートと90度コ ーナーが多く配されているのが特徴です」
「パワーユニットのパフォーマンスを最大限に引き出し、PU起因でリタイアすることがないように十分な準備をして臨みたいと思います」
「アストンマーチン・レッドブル・レーシング、スクーデリア・アルファタウリの両チームメンバーと4人のドライバーと一緒に、最善を尽くします。クビアト選手にとっては母国グランプリになりますので、いいレースにしてもらいたいとも思っています」
【STINGER】
photo by Honda