ホンダ陣営のロシアGP決勝by田辺TD
ソチ・オートドローモで行われたロシアGPの決勝でアストンマーチン・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが2位表彰台を獲得、他の3台もトップ10でレースを終え、ホンダのパワーユニットを搭載するマシン4台全車がポイントを獲得した。
レッドブルのアレクサンダー・アルボンは10位、母国GPのスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトが8位、チームメイトのピエール・ガスリーが9位に入賞。ホンダHonda PUとしては、2019年のモナコGP以来の全車ポイント獲得となった。
また、フェルスタッペンの表彰台登壇で、2015年のF1復帰以来のポディウム獲得回数が第三期F1活動の19回を超え、20回となった。
フェルスタッペンは前日の予選で果敢な走りで2番手となったが、偶数側グリッドはホコリが多く、やや加速がしづらいコンディション。スタートでは一時4番手までポジションを落としたものの、直後のアクシデントでセーフティカーが導入される前に3番手まで挽回する。
セーフティカーは、ターン2でカルロス・サインツ(マクラーレン)がクラッシュを喫したことによって出動。予選後のギアボックス交換でペナルティーを受けて15番手からスタートしたアルボンも、その影響でどん尻に下がったため、ピ ットインしてソフトタイヤからハードへと交換して隊列に戻った。
9番グリッドからソフトタイヤでスタートしたガスリーは、7番手までポジションを上げ、ハードタイヤを選択したチームメートのクビアトはポジションを維持したままリスタートを待った。
レース再開後、ガスリーは18周目、フェルスタッペンは25周目にピットインして、ハードタイヤに交換。ピットタイミングの遅いクビアトは、一時3番手までポジションを上げた。クビアトは30周目までタイヤ交換を伸ばし、ミディアムタイヤに交 換して8番手でコースに復帰。フェルスタッペンは2番手でレースを進めた。
10秒のタイム加算ペナルティーを受けたルイス・ハミルトン(メルセデス)が3番手に上がったが、フェルスタッペンは10秒以上の差をキープして2位表彰 台を手に入れ、レッドブル・レーシングにとって初のロシアGP表彰台を記録した。
クビアトはキミ・ライコネン(アルファロメオ)の前方でレースを進めた。ソチはオーバーテイクが難しいコースであり、その後方ではガスリーがライコネンを抜きあぐねていた。レース終盤にクビアトは前方のエステバン・オコン (ルノー)に追いつき、オーバーテイクを仕掛けるが、追い抜きには至らず、8位でチェッカーフラッグを受けた。
ガスリーは残り11周でわずかにバーチャルセーフティカーが導入されたタイミングで2度目のピットインを行い、ミディアムタイヤに交換。コースへ戻ると、アルボンとランド・ノリス(マクラーレン)を続けざまにオーバーテイクして9位でフィニッシュした 。
序盤のセーフティカー走行中にハードタイヤを履いたアルボンは、27周目にピットへ入り、ミディアムタイヤを履く2ストップ作戦を採用。一時は最後尾に下がったが、アントニオ・ジョヴィナッツィ(アルファロメオ)をターン13のアウト側からオー バーテイクするなど、見事な走りを見せて10位入賞を果たした。
次戦は2週間後、10月9日(金)~11日(日)に、ドイツのニュルブルクリンクで第11戦アイフェルGPとして開催されます。
ホンダF1レーシング田辺豊治テクニカルディレクター
「ロシアGPの決勝は、アストンマーチン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペンがレース序盤から2番手をキープし、メルセデスの2台に割って入る2位表彰台を獲得しました」
「チームメートのアルボンは15番手スタートで簡単ではありませんでしたが、2ストップ戦略を確実に活かし、最後はポイント圏内の10位までポジションを上げるという力強いレースを見せてくれました」
「スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台もスタート時の波乱を避けてクビアトが8位、ガスリーが9位と2台入賞を果たしました。2人ともいくつものオーバーテイクを見せ、いいパフォーマンスだったと思います」
「ホンダ勢は4台とも完走し、昨年のモナコGP以来の全車入賞と、ここ数戦のことを考えるとよい状態でレースを終われたと感じています」
「ここから欧州に戻り、1週間空けてドイツでのレースになります。ニュルブルリンクは現行レギュレーションでは初走行となりますので、十分シミュレーションなどで検討し、準備を整えて臨みたいと思います」
【STINGER】
photo by Honda